奥飛騨の晩秋山行


金曜日夜の9時頃新穂高温泉中尾の民宿「麓庵たきざわ」到着。火曜日にインターネットで調べて予約したのだが、予想をはるかに上回る応接に感激した。西穂高岳は勿論初めてだが、新穂高温泉そのものが初めてで、登山口との位置関係等さっぱり訳が分かっていなかったのだ。

遅い到着にも拘らず、明日の登山について諸々相談に乗ってもらった。先ず朝食時間を聞くと通常は7:30との事。東京で調べてきたロープウェイの始発8:00になっていたので、遅すぎるのではと聞くと「シーズンオフなので現在は8:30が始発ですが、もう一度調べてきます。」と言って帳場で調べなおしてきてくれた。「今月も土日は8:15始発になっているようです。食事は7:15にして、始発に間に合うように白樺平(第2ロープウェイの起点)まで送ります。」

23日は早朝から周囲の山々が朝日に映えて透き通るような秋晴れ、7:50に自家用車で駅まで送ってもらうが、結構な距離で10分は楽に掛かった。駐車場も大分車が埋まっていて、駅の中は既に大勢並んでいる。ひょっとすると始発に間に合わなかったかと思ったが、ケーブルが2階建てで一度に120人運べるとの事で間に合った。計画通り8:30に登山を開始。アルプスでは最も初心者向けと聞いていたが、とても同意できない。想像以上にハードな山であった。しかし天気は今年一番と、民宿の人が後で折り紙をつけてくれた位に素晴らしく、アルプスを堪能する事が出来た。

惜しむらくは山頂発4:15が最終と聞いていたので、休憩をゆっくり取る事が出来なかった事だが、季節柄やむを得ない事だ。山頂駅スタートから山頂駅帰着迄8時間(内45分の休憩)の予定を立てて、ほぼ予定通りに戻ってはきたが、登りも降りも結構時間を食ってしまい、休憩は合計30分位しか無かったと思う。今回はやはり季節の所為か、お馴染みのご同輩爺婆を殆ど見受けなかった。恰好いい山男に山ガールが圧倒的で、悔しいけど周辺からなんとなく同情的に見られているような気がしないでもない。


24日は、バスの便が悪いので仕方が無いのだが、中尾を8:58に発って9:30には平湯のバスセンターに着いてしまう。そして新宿行きが直近で14:30(その前は9:00発)なので始末が悪い。バスセンターは600円で日帰り入浴施設付きだが、朝も入ってきたばかりで、そんなに温泉ばかり入っていられない。仕方がないので、民宿で言われた通り大滝を見に行ったりして午前中は紅葉狩り。バスセンターに戻って昼飯にした。飛騨牛は昨晩民宿で牛刺しにステーキとたらふく食べたので、今回は飛騨豚どんぶり850円を選んだ。これが実に美味い、何故なら柔らかい豚ソテーにたっぷり野菜が一緒に炒めてあり、炒め汁がたっぷりかけてあるのだ。

どうも信州の観光地は食い物がぱっとしないが、民宿の食事と言いここの昼飯と言い食い物が実に美味い。後先になるが、昨晩のメニューは飛騨牛の刺身に、朴葉みそステーキ、岩魚の刺身にヒメマスのホイール焼き、そのほかにも野菜やら酢の物やら覚えきれない程おかずがあって、ごはんは栗ご飯だった。朝食も鮭と茸のホイール蒸しの他に温泉卵があったりして、兎に角豪華。お陰で朝飯をたっぷり食っていたので、山歩きの途中はあんパン程度で簡単に済ます事が出来た。

温泉は信州の育ちだからびっくりはしないが、湯量はこちらの方が豊富なようでもあり、至る所に温泉がある。バリエーションが豊富なので2泊の間で5回も入浴したのも久しぶりだ。人情も良い。昨日チェックアウトしてからバス停が5分くらいと言うので、紅葉を見ながらのんびり歩いていて
「バス停はどこですか?」とある民宿の女将さんらしき女性に声をかけた。「バス停はすぐここですが、どちらまでですか?」
「8:58でのバスで平湯までです。」
「一寸待ってください。調べてみますから。」と家に引っ込んだ。
「やはりここではありません。温泉口ですからお急ぎになってください。」
どうやら宿泊した民宿で勘違いをしていたらしい。温泉口が何処かも見当がつかないが、仕方が無いので急ぎ足で歩きだすと、後ろから声が追ってきた。
「一寸待ってください、今キーを取ってきてお送りしますから。」
やれ有難いと少し待つとすぐに車を出してくれた。ご亭主も見に出てきた。どこの客かと思ったのだろう。

同乗させてもらうと成程距離がある。時間は15分以上余裕があったが、坂道でもあり歩いていては大変だったろう。些少のお礼をと申し出るがどうしても受け取ってもらえない。「気持ちあるなら再び中尾に来てください。」と言うのみ。同じ民宿で名前も聞かずに別れたが、ほのぼのした気持ちだ。宿泊した民宿もロープウェイ迄の送りだけだなく、電話をしたら夕食の準備で忙しいだろうに早速来てくれた。



飛騨は初めてだったが、食事の美味い事、人情味が豊かな事、一番はコストが安い(因みに宿泊した民宿は2泊で15000円、1泊は朝食のみ、夕食の飲み物を含む)には感激した。以下は帰宅して婆さんとも話した事だ。飛騨は雪が多いのに立地条件からスキー観光が成立しえない、従って冬場は湯治客だけで凌がなければならないそうだ。信州は同じ山国でも四季を通して客に不自由が無いので若干慢心があるのではなかろうか。山歩きから帰ると婆さんも機嫌が良いし、なんとなく心が豊かになるような気がする。特に今回は素晴らしかった。

先月から山行きの記録を画像を含め「ヤマレコ」サイトに上げています。
http://www.yamareco.com/
ここでsenkawaで検索してsenkawaさんの「山行記録」をみてください。

コメント

このブログの人気の投稿

慶応義塾入学式 期待が膨らむ

読後感「新天皇と日本人」小山泰生著

何もかも関係ない話だ