2010年10月7日木曜日

祝ノーベル化学賞受賞

昨日の夕方、日本人科学者お二人のノーベル化学賞受賞のニュースが飛び込んできた。暗い話題が多いご時世なので、一昨年のトリプルに続くダブル受賞にはほっとする思いだ。初めて聞くお名前だが鈴木章氏・根岸英一氏には心からなるお祝いと敬意をささげたい。報道によると、授賞対象になった研究成果は既に30年以上前のものだそうだ。科学知識が全く無いので、研究成果「クロスカップリング」について理解する事はほとんど不可能に近い。

しかし、その成果によって既に現代人に多くの利便をもたらしている事が報道されている。併せて、いつもの事だが受賞者のコメントには拳拳服膺すべき事が多い。先ずは鈴木章氏に関してだ。

鈴木カップリング反応に関連する論文・特許は6千本を超えるという。鈴木さん自身がのんでいる血圧の薬にもこの反応が使われている。だが、鈴木さん自身は特許を取得していない。「特許を取るなんて、がめついヤツと言われた時代だった。それに、自分のお金でなく、国のお金で研究していたのだから。特許を取らずにオープンにしたおかげで、これだけ広く使ってもらえるようになったのだとも思うね。」80歳の老先生のこのコメントには強い共感と感動を覚えてしまう。

アメリカ在住の根岸先生も既に75歳。しかし両先生共に矍鑠として教鞭をとっておられるようだ。根岸先生のコメントも日本人全体に極めて重大な事を示唆している。

根岸先生が勤務するパデュー大学は海外からの留学生が多いそうだ。先生の研究室にもかつて日本からの留学生がいたが、この数年間は訪れていない。「日本は非常にカンファタブルな(居心地の良い)国なんですよ」と日本の若者が内向き志向になる背景を先ず指摘、「ある一定期間、旅行者としてではなく、海外に出て日本を外から見ることが重要。もっともっと出てこられることを勧めます。」と若い人の奮起を催促しているのだ。

日本における科学者の年齢的分布がどうなっているか分からない。多分60歳代以下の層にも、ノーベル賞候補が沢山居ると信じたい。気になるのはいわわゆる若者、小学生や中学生の我が孫がこのニュースをどのように受け止めるか、生徒同士の会話にこの事が話題になるかどうかだ。残念だが我が孫にこのニュースがなにがしかのインパクトがあったとは一寸考えにくい。身内はさて置き、全国の若者諸氏にはこれを機会に是非奮起してもらいたいものだ。

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