2010年9月3日金曜日

民主党代表選(その2)小沢一郎と質問者

民主主義の大原則は多数決。この事は小学生でも知っている事だろう。菅総理に言わせると、小沢氏は「金と数の力に頼る傾向が強い政治家」だそうだ。今朝になるとこの発言については大分批判的な記事も出ているが、小生も菅総理の認識について疑問を持たざるを得ない。菅総理は丁寧な話し合いの重要性を強調しているが、国会を小学校のホームルームと勘違いしているような気がする。

昨日の日本記者クラブで代表質問に立った記者の不勉強についてはうんざりする。彼等からは小沢の政治資金について、検察が発見できなかった不正をなんとか暴きたい、と言う前のめりの気持ちばかりが伝わってくる。しかし小沢氏の方は政治資金について疑問があるなら、資料を全て公開しているのだから見てください、調べてください、と言っている。ところがこの反論に対して、どの記者も再質問で切り返しが出来ない。これで民意の代表者面をされたのではたまらない。

と言う事は、彼らの誰一人公開された資料を念入りに検証するジャーナリストとして基本中の基本動作をしていない証しに他ならない。「ある人物の体重や身長を調べてみましょう」と言う宿題を読者国民から与えられた生徒が、調査も何もせず単にその人物の前に行って、「答を教えてよ。」と言ってるようにしか見えない。そんなに簡単に教えてもらえるなら、宿題になる筈も無い事が分からないのが情けない。彼等は新聞の論説とテレビ出演のかけもちだ。ひょっとしたらテレビに出演する時間やギャラの方が本業より多くなったりしているのでは?

幾ら移動にハイヤーを利用して時間を稼いでも、売れっ子タレント顔負けのハードなスケジュールでは、記者として地道な調査など出来る筈も無いだろう。余り持ち上げたくないが、小沢氏の発言は、喋りの拙さはあるにせよ、内容が確信に溢れている。軽々しく口は開かないが、喋る以上は100%責任を持ちたいのだろう。記者と政治家の違いと言えばそれまでだが。彼が総理になったら記者会見の仕方なんかも変わる事を期待したい。

この数日民主党代表選絡みで小沢氏をテレビで見る機会が多かったので、関連して思った。テレビタレントがニュースショーの解説者になって、したり顔の解説をするのは仕方が無い。それが彼らの商売でもあり、それなりに台本もある筈だから。しかし、政治家がむやみにテレビワイドショーに出演するのは考えものだ。千人近い国会議員でこの手の番組に出演する政治家は何故か特定の人間に絞られている。出演する政治家は選挙を考えれば有難い話らしいが、毎度テレビの低俗な質問に応答していると、選挙区以外の人間からは芸能タレント並みに思われ、自らの人間性を貶めているのだが。

小沢氏が幹事長時代の定例記者会見で、質問した記者を睨みつけ、木の葉で鼻をくくるが如く「君もよく勉強してから質問してください。」と言っていたのを思い出す。ここ数日の彼は、さすがにそんな風情を見せないが、腹の中でそう思っているに違いない。もし彼が勝ったらその辺はどうなるのか、興味深々だ。

0 件のコメント: