2010年8月4日水曜日

東京の地下鉄統合 役人の論理

田舎の人には関係ないだろうが東京は公共交通網が発達していて、ある意味で非常に便利である。23区内に住んでいれば、自家用車を持つ必要は先ず無いように思う。しかし、この中で特に便利な地下鉄を運営している会社が2系列あるのが不思議な話だ。1社は国の旧特殊法人(営団地下鉄)、もう1社は都営である。自治体がの域内交通網を整備するのは義務のようなものだから、都営地下鉄があっても不思議はないし非難すべきではないかもしれない。

利用者の立場からすれば同じ地下鉄なのだから、1社で運営してもらった方が何かと便利には違いない。この両社の統合については数年前から東京都の方から国へ働きかけがあり、一昨日の報道によると両者の間で真剣に検討する事になった。とされているが、経営内容に大きな差があるため、実態としてはそうすんなりまとまる話ではなさそうだ。国が株の大半を持っている東京地下鉄の方がしっかりお金を貯め込んでいるので、経営内容の差をあげつらって「はい、分かりました。」と言わないらしい。

昨日衆議院の予算委員会席上、みんなの党の江田憲二氏が「盗人猛々しい」と品の無い発言をしたのを聞いてがっかりしたのだが、東京メトロにはこの「盗人猛々しい」がピッタリのようだ。何故ならば、東京メトロは元々国の特殊法人で元手は全て公金から支出され、利益なんか貯め込む必要が無かった筈だ。それが俄かに株式会社になって優良企業に収まっている事自体おかしいではないか。既に民間の1企業だから事業仕分けの対象にはならないのだろうが、きっと天下りの温床であったに違いない。

如何にも民間の事業のような顔をしているが、役人の縄張り争いが衣の下に透けて見える。初めて上京した頃は、地下鉄と言えば渋谷ー浅草と池袋―新宿しか無かった。料金は20円均一だったような記憶がある。代わりに地上はあらゆる道路に路面電車が走り、道が汚く危険であったのも事実だ。あの頃を思えば東京は本当に便利にもなったし、道路も美しく立派になった。こうなるまでには国であれ東京都であれ官僚たちの努力があった事は否定しない。しかしそろそろ官僚諸氏も自分の組織を守る事を止めて、大所高所から国民都民の利便を考えてほしいものだ。

2 件のコメント:

kiona さんのコメント...

内情は知りませんが、NYのように深夜運行をしてほしいものです。

senkawa爺 さんのコメント...

kionaさん
コメントありがとうございます。
最近深夜帰宅が無くなったので実感がありませんが、それは確かに言えます。賛成です。