2010年6月21日月曜日

湯の丸山・烏帽子岳


先週金曜日に一旦断念した日曜日のハイキングだったが、土曜日の天気予報を見て又気が変わった。もともと誘われていた信州北部信濃町在住の登山グループリーダーに電話をすると、直ぐに了解してくれて、たちまち4人のメンバーを揃えてくれて6人で行く事が決まった。さすが20年以上のキャリアのある登山グループだ。目的地は湯の丸地蔵峠から湯の丸山と烏帽子岳である。

日曜日東京発6:52の新幹線で8:30上田で下車、リーダーにピックアップしてもらう。他の同行者4人のうち一人は小生が山歩きを始めた翌年2007年7月に苗場山でご一緒したSさん。ご夫妻で参加されたKさん。最高齢75歳直前のOさん。皆さん長野市在住で山が大好きな人ばかり。上田駅で小生を待つ間もずっと次の山行きの計画に終始していた様子。槍を新穂高温泉口から登ろうか、富士山にしようかとの議論だったそうだが、今年は富士山と大体決まったようだ。

上田から地蔵峠のスキー場には半時間ほどで到着。丁度ツツジが見頃を迎えツツジ祭りのイベントを開催との事で駐車場が満杯になる程の賑わい。スキー場のツツジの群生は見事に開花していて、リフトも1機回っているので老いも若きも斜面の上から十分堪能する事が出来る。我々もリフトの利用に衆議一決1850mの地点まで労せずに登ってしまった。ここまで来ると湯の丸山山頂迄は標高差で250m弱である。山頂を目指す人の数も半端ではない、人間が数珠つなぎ状態で富士登山を思い出した。

混雑していたので途中イワカガミの群生などゆっくり鑑賞しながら小一時間は掛かったろうが、兎に角2103mの山頂に到着。山頂も大きな団体さんが幾組も入り混雑しているが、風は高山の風で非常に冷たい。大抵の人はヤッケを羽織っているが中には半袖で頑張っている人もいる。我がグループの最年少(未だ51歳)Sさんもその一人。昼前にもう一座登る事になっているので、おやつ休憩の後向かいの烏帽子岳に向かって降る。登り始めたスキー場のちょうど反対に当たるが、標高差としては丁度登ってきた分を降って、また350m程度の登り返しになる。

湯の丸と烏帽子の鞍部に着いたのが11:30頃だったようだ。時計を忘れてしまったので正確ではない。烏帽子岳は山頂近くで少し岩が露出するが、登山道は整備が行き届いて素晴らしいハイキングコースである。40分程で山頂に到着。湯の丸山と比べると人がはるかに少ない。晴れてはいるがさすが梅雨空、見晴らしは秋に来た時とは大分異なり周囲の山々は水墨画を見るような趣きである。山頂の風は湯の丸山同様冷たいので、少し降った尾根で風を避けて昼飯にする。

パーティー登山なので、それぞれが持ち寄ったおかずが沢山になって昼飯が賑やかで楽しくなる。実はこの時思いもかけない騒ぎが起こった、我がグループと同じ世代のご婦人が二人「グループからはぐれて道に迷ったのでスキー場登山口まで迄連れて行ってほしい。」と頼みこんできた。我がグループのKさんは長野でこの3月迄消防団長を務めた偉い人である。早速事情を聴くと、何でも群馬の渋川からのグループ登山でお揃いのジャンパーと帽子をかぶっている。我々もそのグループは先ほど見ているので不思議に思ったが、聞くとこの二人は足に自信がなかったのでグループに先んじて出発して間違った道に入ったらしい。

Kさんがそのグループの責任者に連絡を付けようとするが、遭難者が持っていた唯一の手掛かりがメンバー表だけで、そこに電話をしても留守電で役に立たない。結局、健脚の我がリーダーが麓に連絡に走る事にして、Kさんがこの二人を保護して下山と言う事になる。こんな平凡な山でしかもグループで来てはぐれるとは?不思議な話だが、山では思いもかけない事が起きるものだ。山頂が広いので、一昨年の秋小生が降った角間温泉方面の道に入りこんだようだ。少し降ったところで変だおかしいと気がついて、山頂に戻ったら本体が既にいなくなっていたとの事。もし彼女達がそのまま降り続けたら大変な事故になったろう。

多分数十メートル降っておかしいと気が付いて戻ったのだろう。これが原則を踏まえた正しい判断で、大事に至らなかったのは幸いだった。昼食も未だであったこのご婦人方も一緒に昼飯を食べてから、このご婦人の歩調に合わせて降ったので又時間がたっぷり掛かった。登山口到着は3時半頃だったろうか、渋川グループの代表が大勢出迎えに来て長野の消防団長さんにお礼を言っていた。ここで先行していたリーダーと合流して地元名物のアイスクリームを食べて一休み。こちらも帰りの列車を決めていなかったので、更に小諸のブドウ畑の中の温泉にゆっくり浸ってから上田発18時の新幹線に乗車して20時に帰宅。

ともあれ歩いた標高差や距離を東京近郊の山に例えれば、高尾山のハイキング程度かもしれない。それで2000mを越す山を2座も登って、高山気分をたっぷり味わえるのだから信州の人が羨ましい。

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