2010年5月18日火曜日

辞めて済む話ではない

最近のマスコミの報道を見ていると年がら年中世論調査をして、内閣支持率の下落と民主党小沢幹事長の辞職をあげつらっている。新聞テレビに確たる見識や信念が無いのは知っているが、新聞が毎日全国に何千万部と配布され、テレビの延べ視聴人数が数千万人と言う事になると、その影響は仇や疎かにはできない事になる。インターネットには「新聞を取るのをやめました」との意見も散見するが、気持ちが分からないではない。

評論家の殆どが、各大臣の言う事がばらばらと鳩山首相の指導力不足を指摘するが、小沢幹事長については指導力と言わずに党員に文句を言わせない独善独裁を糾弾する。又連日首相のにぶら下がって質問をぶつけ、首相の答が「場当たり」との批判も強い。二人とも参院選を現在の体制で強行突破と報じられているが、彼等にすれば、誰にどうして代わらなければならぬか分からぬ思いがあって当然だ。党内でも総理の交代を口にしているのは渡辺恒三くらいのものである。代表を菅氏に変えたところで混乱は深まるばかりではないだろうか。

内閣支持率や政党支持率低下の要因で最たるものは「政治と金」の問題だそうだ。マスコミは野党が尻馬に乗りやすいように説明責任(特に小沢氏の)が足りない事を煽っている。尻馬に乗った連中は立法府である事を忘れ、検察か裁判官に成代って極悪人を裁いてくれようぞとの意気込みである。勿論何の説明を聞きたいのかは関係ない。無理矢理にでも賄賂を貯め込んだと白状させたい気持ちは分かるが、余りに見え透いて子供じみた事を言う恥ずかしさは持ち合わせないようだ。それを言うなら、身内の金とは言え鳩山家の資金供与については脱税がはっきりしているのだから、こっちをもっと攻めればいいと思うのだが、こちらは尻切れトンボだ。

「政治と金」は集金方法と配分方法の2面がある。配分方法については民主党の二人は聞くまでも無く子分(よく言えば仲間)を増やすのに使っているのは明らかで、法律的には現金を配ってはいけないとか酒を飲ませてはいけないとか、方法論に細かい規則はあると思う。しかし政治は数が勝負だから金を子分を増やすのに使わない政治家は、それこそリーダー足り得ないのは自明の事でもある。又、小沢氏が資金を不動産で運用しているのは何がいけないのか説明できる人はいないだろう。集金方法の汚さに関しては小沢氏が熟知するところであるのも間違いなさそうだ。それだけに尻尾を掴まれないよう細心の注意を払っているだろう。特捜検察が1年がかりで出来なかった事を、国会の委員会で証人喚問をして尻尾を捕まえようなんて聞いてあきれる。

ダーティーな金を集めて子分を養い私腹も肥やしてきたのは自民党の十八番であった筈。ところが最近は派閥の領袖ですら集金が思うに任せず苦しそうだ。自民党の政治家が僻みたくなるのも無理からぬ話ではある。しかしマスコミが民主党の「政治と金」を執拗に攻めて、返す刀で自民党やマスコミとダーティーマネーを取り上げないのは、野党とマスコミは一蓮托生、同類かもしれない。

そして沖縄の普天間基地移転、5月末に鳩山さんがどのように捌くつもりなのか分からない。見える事は関係閣僚の座にある諸氏はそれぞれ任務に精励し、金集めに狂奔している暇はなさそうだ。今迄の報道からすると福島社民党が連立解消と言う事すらあるかもしれない。小生は期して待っているが、政治にマジックや奇跡はないだろう。来月初めに現政権と与党はピンチに陥りそうではあるが、辞めれば済むと言う話でもないだろう。トップ二人にはなんとか頑張ってほしいものだ。

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