2010年4月15日木曜日

読後感「王国への追跡」吾妻博勝 著

勝谷誠彦のメルマガに面白いと書いてあったのに乗って読んでみた。内容は、オウム事件で指名手配を受けながら未だに逮捕されていない逃亡犯(菊池直子、平田健、高橋克也)が既に出国タイに潜伏しているとの情報を追った著者のレポートである。

タイについてはこのところ連日反政府デモが報道されている。その攻防の激しさは、日本人カメラマンが巻き込まれて亡くなっているから押して知るべしである。タイは仏教国でもあり、政治を超越した王室の存在もあって温和な国とイメージしていた。しかしこの本をよると麻薬やマフィア不良警官が跋扈する酷い所のようだ。日本に住めなくなったヤクザも沢山逃げ込んでいるらしい。

著者は日本にも繋がっているその裏ルートを辿って、オウムの逃亡者に迫っていく。危険も一杯で大分気を持たせるが、結局確たる証拠は見つからずにジ・エンドとなっている。事件発生から既に15年、逃亡したこの3名については何も成果が上がっていないので、警察は何をしているのだろう。駅に張り出されているポスターは虚しいだけだ。

しかし読後感とすれば、暇つぶしにはなったが「だからどうした?」と言う感じが無くも無い。しかし著者が10年以上に亘りたった一人でタイまで足を運び、これを追求する熱意と努力には敬意を表さなければいけないだろう。




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