20年ほど前、未だテレビ業界に近い所で仕事をしていた時の事だ。当時の人気タレントはタモリ、さんま、所ジョージが御三家で、たけしはその下だったように記憶している。たけしを入れて四天王としても良いと思うが、当時既にお笑い系のタレントがテレビ業界を引っ張り始めていた訳だ。未だスポーツ選手の起用は少ない時代で、むしろ歌手なんかが多かったかもしれない。しかしその後は音楽関係の番組はどんどん減り、歌手の人気はCMに結び付かなくなってしまった。ある番組の司会者を探していた時の記憶だから、このランキングはCMに起用したいタレントかテレビ出演ギャラのランキングだったと思う。
当時は番組司会用タレントとして落語家だのアナウサー上がり(みのもんたのように二流から急に人気が出たタレントもいるが)の人も結構いたが、最近では大分影が薄くなってきている。その中でお笑い系の彼等は現在でも確固たる地位を維持しているのだから凄い。業界が不景気で制作費の縮小が報道されているが、彼らのギャラを値切るのは容易な事ではないだろう。真面目に考える程の事ではないかもしれないが、お笑い系が長持ちするのは何故だろう?幾つか思い当たる事もあるが、本当のところは分からないとしたい。
大体テレビに出るような人間は、特に司会者は発言に重みがあっては困るし、台本に沿って無責任な事を言っているにすぎない。視聴している方もその無責任な軽さが魅力となって人気が長続きするのだろう。テレビは家庭の娯楽の一つだから、その事に目くじらを立てようとは思わない。しかしテレビ番組の全てが商業放送だからと言って視聴率競争の結果、NHKさえも巻き込み、軽さによる人気取りになっているのは嘆かわしいと思う。こんな事は既に言われて久しいが、誰も迷惑を被っていないので警察は勿論、文部省や学校の先生も、政治も取り上げない。
我が孫たちのギャグが絶妙になるのは結構だとしても、終にはテレビのお笑いタレントが知事に登りつめたりしてしまう。当然の帰結ながら、最近ではこういった社会現象に眉をひそめるべき人間までが、人気取りに走りまわっている。本人も自覚して些か忸怩たる思いのようでもあるが、小泉進二郎君なんかその典型であろう。自民党も舛添なぞ当てにしないで小泉君を総裁にして戦ったら、国民的敵役小沢を相手に結構いい線いけるかも。
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