先月バンクーバーオリンピックのスケート競技では随分いい気分にさせてもらったが、昨日は中東カタールのドーハ(サッカーの試合で悲劇が起ったと聞いた事はあるが何処にあるかは知らない)から結構なニュースが飛び込んできた。
ここで開かれているワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)国際会議で、今月に入ってこの会議が大きく報道されてきた。と言うのは大西洋と地中海に於ける黒マグロ漁業が禁止される事が提起されていたとの話だ。聞かなくても分かるがマグロを食うのは圧倒的に日本人である。その日本のマグロ消費量の5%が地中海と大西洋から来ているのだそうだ。
黒マグロなんかそんなにしょっちゅう食うものでもないからどうでもいい。と思っていたら婆さんが「クジラもそうだけど、黒マグロは駄目、次は○○、次は××とやられていくと最後はサバもイワシもNGになるんじゃないの。」と心配していた。言われてみればそれも尤もな話でもある。予想としては日本に同調してくれる国が少ないので恐らく禁止の方向になるとの事だったので、やはり何かと日本は目の敵にされるのか、と少し心配もし始めたところだった。
ところが蓋を開けてみると、欧米勢の主張に対して先ずリビアが反対の演説をぶったそうである。曰く「提案国モナコの主張には何の科学的根拠もない。私は科学的根拠に基づいてこの提案を拒否したい。」といった趣旨だったらしい。これにアフリカやアジアの多くの国が賛意を表して、報道関係者が予想外で戸惑う程の圧倒的多数で否認に漕ぎつけたようだ。
確かにクジラと黒マグロだけであれば、食わなくても我慢はできるだろう。しかしこれを機会に食料の事を各家庭で話すのも有意義な事だろう。我が家でもいろいろ話をしてみた。「近大マグロ」とい言うものがあって、これは近畿大学が開発した養殖の黒マグロの事だと教わった。やはり食料は自給自足が大事ではないかという結論に尽きる。猫の額にも満たない庭に出来るものをよく食しているのもその故だそうだ。
景気対策や産業育成で豊かになるのは結構だが、食い物が無い事にはどうにもならんだろう。もともと日本は農業国であり、そこに近海漁獲物をプラスして食料自給をしていた筈だ。それで豊かな食文化が育まれてきたのも間違いない。小生が海外旅行を敬遠するのも食文化の違いが大きな要因である、即ち横メシは駄目なのだ。後幾ばくも無い人生だから、せめて三度三度の飯ぐらいは旨いものをといつも思っている。
ともあれ、内閣と政権政党の間がぎくしゃくしているのにうんざりもし、農水省の政府3役もぱっとしないなと思って気分も暗くなりつつあったが、この勝利は週末に明るい気分をもたらしてくれた。特に現地で良い仕事をした水産庁(だけではないかもしれない)のお役人に敬意を表したい。
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