三連休前半2日間に吹き荒れた春の嵐で、我が家のテレビアンテナがへし折られてしまったようだ。テレビの映りがおかしくなったと思っていたのだが、まさか支柱が折れてしまっていたとは。表から屋根の上を見上げる事がないので気付かずにいたところ、お隣さんが「テレビアンテナが折れ曲げってぶら下がっていますよ。」と教えてくださった。風がもうひと吹きしてアンテナが飛んできたら事故が起きかねない。お隣さんは3階建てで我が家の屋根を見下ろす位置関係にあった事が幸いした。早速電気屋さんに電話をして修理と言うか交換を依頼したら、同様の話が多くて大忙しの様子。春の嵐もとんだところで景気の向上に役立っているようだ。
日曜日はお彼岸の中日、我が家には仏壇が無いので家内が月曜日に実家にお参りに行くことに。小生は墓参りで長野まで行くのは勘弁(身勝手)してもらい、近くの山に登って遥か西の空を拝んで彼岸のお参りにする事に。ここ数年シーズン初めは高尾山が多かったが、今年は少し趣向を変えて東丹沢の鍋割山にした。幸い前日までの強風も止んで早朝からお天気が期待できそうだった。6時50分新宿発の小田急線で渋沢下車、バスで登山口の大倉には8時35分に到着。晴れてはいても結構ひんやりして山歩きには最適な日和だった。
鍋割山はもちろん初めて。友人の一人が「奥多摩の山は山に入ると、山に来たとい言う感じになるが、丹沢の山は山頂に立っても、麓のゴルフ場やら町並みがはっきり見えたりするので感激が薄い」と言っているのであまり来た事が無かった。今回事前に調べてみると、奥多摩に比べると比較的アクセスが早くて安くつきそうな事が分かった。山の標高は1270m、登山口からの標高差約1000m、秦野市観光協会ホームページのコースデータには歩行距離:約16.4km、歩行時間:約6時間35分とある。山頂の感激はともかく、シーズン初めのトレーニングとしては適当に思えた。
ともあれ8時40分から歩き始める事が出来るので確かに便利である。バスには結構立っている人もいるぐらい人間がいたが、歩き始めても前後に人影が無い。大倉からは丹沢の各所へのルートがある。初めてでもあるので観光協会が紹介する最短で易しそうなコースを選択した所為でもあるだろう。ルートの最初は緩やかな林道が4.5kmほど続く。朝日に照らされても冷たい空気に小鳥の囀り、「山道も久しぶりだなぁ」と思いながらものの10分か15分で幅広い林道に出る。暫く進むと案の定車何台かに追い越される。どうも林業関係者ではなさそうだ。途中「山の木が傷んでいます。車両ご遠慮願います」の看板を見かけたが余り役には立っていないようだ。
小一時間で二俣、ここに車が沢山止まっている。ここからが本当の登山道。結構な登りが2時間ほど続く。途中どこかで休もうと思いながらも、バス停の登山口から2時間近くほど歩いた時、前に数人の人影が見えてくる。人が歩いているのを見ると益々休みにくい気持ちになるのも本当はいけない事かもしれない。標高が1000mを超えると富士山が見えてくる。流石に美しい。しかし春の天気がどこまで持つか分からないので、見えるうちにと思ってザックを下して写真を1枚。木の枝が少し邪魔だったが幸い未だ枯れ木なのでそこそこ美しく撮れたと思う。ついでに水を一口飲んで再びゆっくり歩くと10分程で山頂、11時45分だった。
山頂には小屋があって鍋焼きうどんを売っている。しかしこちらは婆さんが早起きして折角握り飯を作ってくれたので、ビニールシートの上で持参の昼飯。天気は良いのだが流石に3月、未だ寒いので上半身すっかり脱いで汗をぬぐって着替えをする。富士山も案の定殆ど雲間に隠れて頭が少し見えるだけ。写真を撮ってもらったが写真では殆ど確認できない。南に目を転ずると、友人が言っていたように俗世界が良く見える。しかしその向こうに湘南の海、太平洋が薄ら望めるのもまた一興ではないか。一瞬、ここから1時間半塔ノ岳迄足を伸ばそうかとも思ったが、思い直してやめた。45分休憩をして12時半最もイージーな来た道を降る事にする。
二俣には13時45分、大倉のバス停には14時55分到着したが、最後のだらだら下り1時間は、一人ぽつねんと歩いていると後から自家用車が「すみませ~ん」といってどんどん追い越して行くのだ。きつかったのはこの最後の1時間だったかもしれない。しかし久し振りにたっぷり歩いたおかげで夕べは熟睡が出来たし、良い春休みであった。
0 件のコメント:
コメントを投稿