2009年12月8日火曜日

校歌 信濃の国 君が代 開戦記念日

先週歳末恒例の高校の同窓会(首都圏在住全卒業生が対象)が都内のホテルで開かれたので出席した。今年はやや参加者が少なくなったようだが私はいつも楽しみにしている。何故か、この会は先ず同窓生の中で著名な方の講演を聴く事が出来る。今年は2年先輩の山科鳥類研究所の山岸所長と東京大学大学院総合文化研究科教授で障害者のリハビリが専門の22年も後輩の中澤教授であった。

普段カルチャースクールなどとは無縁の生活をしている自分にとって、只でこのような有益な話を伺う事が出来るのは本当に喜ばしい限りである。この歳になると考えようでは、学芸文化に関する話は聴いても一文の徳にもならないとの見方もでるかもしれない。しかしこの歳だからこそ知識欲に燃えた若き日々を思い満足感が出るのだろう。

私は新制高校第11回生である。もう何年も出席しているが年々先輩の出席が減り、昭和34年卒業の我々も参加者の大分上の方に名前が書かれるようになってしまった。懇親会では我々の10年先輩第1回生の先輩方と同じテーブルになった。戦時中に中学に入学、中学4年の時学制が変更になって高校3年に編入して高校第1期生として卒業された方たちである。勿論高校に編入せず中学5年生をもって卒業された友人も多いとの事であった。

懇親会には校歌斉唱の他に必ず長野県の県歌とも言うべき「信濃の国」斉唱がある。音痴の私でさえこの2曲だけは声を張り上げるのだ。「信濃の国」は県下全小学校の式典では国家「君が代」についで必ず歌われたもので、長野県人で知らない人はいない筈であった。我が一族などは婚礼の時に全員で歌ったりしたものだ。

ところが、ある後輩が言うには最近小学校で「信濃の国」を教えなくなったそうである。「君が代」ですら四の五の言われたこともある位だから仕方ないかも知らぬが。プロ野球やサッカーの応援歌は知っていても、校歌、県歌、国歌は知らない人間が増えるのは良い事なのか憂うべきかは分からない。今日はたまたま大東亜戦争の開戦記念日でもある。

幸い我が一族にはこの大戦で亡くなった人はいなかった。一庶民である私としては校歌、県歌斉唱程度で自己のささやかなプライドやアイデンティーを感じる事が出来る。しかしたまには日本人として明治維新以降最大の犠牲者を出したこの戦争が日本に何をもたらしたのか、また何を日本が失ったのかを年に一度くらいは考えてみる価値はあるのだろう。

0 件のコメント: