「クオリティー・オブ・ライフ」と言う言葉を初めて聞いたのは、昭和51年(1976年)米国西海岸にあるスタンフォード・リサーチ・インスティテュートなるシンクタンクで何かのセミナーに参加した時のことだ。某民間放送の招待とは言え私がアメリカ旅行をするぐらいだから、日本人全体の生活も経済的にかなりゆとりが出始めていたと思う。意味が良く理解できない私に講師が更に説明を加えてくれた。要は「これからは経済的な豊かさだけではなくて、生活にクリエイティビティーが求められるようになるのです。」この説明を聞いてますます混乱した記憶が鮮明に残っている。
未だに生活は毎日同じ事の繰り返しで、あまりクリエイティブではない。しかし非常に稀な事ではあるが、今日は国立新美術館に行って展覧会を見てきた。一陽展に長野の山友が入選したので見に行ったのだ。平日で雨模様なのに結構な人は入っている。とは言っても上野の国宝○○展なんかに比べるとゆっくり鑑賞できるのが良い。1階から2階にかけて確か16個ほどのブースに沢山の絵画や彫刻が展示されている。これほどクリエイティブな空間は無いだろう。
普段はカレンダーの絵ぐらいしか見ていないので、先ずその壮観大きさに圧倒される。どの絵もそれなりに面白い。どの絵を見ても色がきれいだ。いろんな賞が貼りつけてある作品は成程と思うのもあるし、どこが評価されたのかよく分からないものあった。いつも思うのだが私は抽象的な絵画や彫刻の良さが殆ど理解できない。どうすればこんな状況をイメージし、且つ表現出来るのかとタイトルと作品を見比べていつも首をひねってしまう。クリエイティビティーに縁無き者は考える事が浅ましい。
そしてまた余計なお世話だろうが次の2点も心配になって来る。作者はこの絵を何処で描いているのだろうか?この絵を何処に飾るのかな?又はどのように保管するのだろう?友人の絵も展覧会場で見ていると決して大きい方ではないが(それでも100号)我が家の食卓より大きく見える。ここで時間をたっぷり過ごす事が出来たのは楽しかったが、これだけの絵を飾れる壁空間のある家って日本にどれくらいあるかなぁ、なんて余計な事をすぐ考えてしまうのだ。
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