民主党に政権が移行したお陰で実に様々な事が見え始めている。今までと言っては悪いかも知れないが、少なくともここ10数年、特に森内閣以降ぐらいの政権与党はいったい何をやって来たのだろう?極端に言えば官僚の言いなりになって、国民のためには何もしてこなかったようなものだろう。官僚は企業と同じようなもので組織の存続が自己目的化してしている事は言うまでも無い。
企業が存続を図るには市場の変化に柔軟に対応する必要があるが、役所は国民生活の実態を観察するより政治家の鼻息や顔色を窺っていさえすればいいのだ。民主党の最高顧問渡辺恒三がいみじくも「嘗て最初に厚生大臣を拝命したが、仕事は厚生省の国会対策委員長のようなものだった。」とテレビで語っていた。政治家は国民のためでなく役人のために存在していたのだろう。
更にこの上にどう仕様も無いマスメディアの存在がある。田原総一郎が番組の中で政治家亀井静香に対して「あんた達は権力をもっているが、私たちは何も無い。聞く権利だけが我々に付与されている唯一の権利だ。」と偉そうに言っていたが、なれ合いの猿芝居の中で何をほざくかと全く笑わせてくれる。国民を一定の方向に誘導すると言う意味で、今やテレビメディアに生きている人間は、田原なんかは特にそうだが自分は最大の権力者と内心思っている筈である。
確かにこれまで私のような愚民は新聞やテレビにかなりミスリードされてきた事は事実として否定できない。しかし、最近新政権の閣僚やそのスタッフがテレビカメラの前で、「私たちはまだそんな数字を発表していません、又は、私たちは現在こういった方向で作業中でこのように考えています。」と堂々としゃべり司会者を慌てさせる場面が多くなった。内閣の記者会見をオープンにすると言っていた事も外務省を筆頭に実現しそうな雰囲気でもある。
これまでメディアに出てくる人間は、自分だけがファーストハンドの情報を豊富に持っていて、その一端をここで披瀝すれば・・・・と言う事でもったいをつけて偉そうにしていた。数日前インターネットの情報で、田中良紹が「なぜ記者はバカになるのか」について面白い事を書いている。
>以下省略して引用
「記者って何であんなバカな質問ばかりするのですか」と聞かれた。
前に「頭が悪くないと新聞やテレビの記者にはなれない」とコラムに書いた私は、「だから新聞やテレビの報道を信ずる方がおかしいのです。新聞やテレビを見ないようにして、潰れる寸前まで行かせないと、彼らはまともにはなれないのです」と答える事にしている。
当たり前の話だが、高給の記者が真面目に仕事をするはずはない。嫌われても他人と競争をし、リス クを犯して真相に迫るより、右を見て左を見て、みんなと同じ事をした方がずっと楽だ。世間が羨ましがる地位と収入を捨ててまで危険な事はしたくない。何よりも記者はサラリーマンなのである。
現在でも八場ダムの工事中止なんかについては偏重報道が相変わらず続いている。インターネットで新聞テレビが報道しない情報を見ていると以下の記事があった。
>以下省略して引用
これはかつて長妻昭=厚労省が07年に国交省から得た資料として公表して話題になった数字だが、今になって改めてこのように報じられると再度驚いて、「これじゃあ簡単には建設を止められないわけだよな」と妙に納得してしまった。
(財)国土技術センター、(財)ダム水源地環境整備センター、(財)ダム技術センターなど八ッ場ダムに関わる公益法人7団体に04年現在で25人、同ダムの建設工事を落札した土建会社やコンサルタント会社など企業37社に03〜05年の間に52人、さらに随意契約業者57社には99人、合計176人の国交省OBが天下っているという。これは、04年前後の数年間でそうだったという話だから、発端から57年も経っている長い歴史の中で一体何人の天下り官僚がこの愚劣極まりない計画でメシを食ってきたのだろうか。恐らく1000人は下るまい。
政権交代で政治家の動きは徐々に変わり始めている。メディアも反省をして変わってほしいものだ。
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