2009年8月11日火曜日

明日の世界と日本

昔同じタイトルのテレビ番組制作にかかわった事がある。今からおよそ20年ほど前の事だ。日米貿易摩擦が大問題で、日米構造協議が持たれ様々な要求が我が国に突きつけられた頃の話だ。どんな内容の番組を制作したか殆ど記憶にないが、確か昭和の末期か平成の初めにかけて数十回の企画に携わっていた。内容は兎も角、毎回海外取材があって、その映像をベースに堺屋太一さんがコメントを加えていた。国内はバブルに浮かれている所もあったが、未だそれでも世界に学び、明日に向かって国づくりにまい進したいと言う姿勢があった。

今にして思うと教科書的番組で余り面白くも無いものだったが、視聴者の目を未来に向けさせたいという意図は明確だったようにも思うし、民放のテレビ番組にも視聴率もさる事ながら志も又必要とした空気が残っていたのだろう。当時は我が国も経済的に大国になりつつあり、米国からある意味で重要視されていたし、少なくても米国と2国間で経済を政治問題として丁々発止とやりあっていた訳である。今やテレビは面白くなければテレビではなくなってしまった。当時からテレビ番組が啓発的な事を言ってどこまで実効があるか疑問ではあった。が現在のテレビを見ると、下らない番組が視聴者を馬鹿にしていくという意味ではかなり効果を認めざるを得ない。

一方日本は相変わらず経済的には大国だと思っている人はどのくらいいるのだろう?何をもって経済大国と称するかは知らないが、少なくとも私にはとても大国には思えない。GDPも中国に抜かれるとか言われたりするからではなく、何となく不景気な話ばかり多いからでもない。仮にGDPが世界2位であるにせよ、大国とは外国からそれなりに認められる必要がある。日本と外国の関係を素人目に見た時、どの国からも我が日本はまともに相手にしてもらえていないように見えるのだ。特にオバマ大統領と麻生首相との会談、サミットに於ける麻生氏の映像を見ると本人はいい気なものだが、どう贔屓目に見ても誰からもまともに相手にされているようには見えない。

テレビニュースの映像だけで言ってはいけないかもしれないが、我が家は婆も爺も彼が嫌いだから過激になってしまう。だが面白い事に孫は麻生さんの方が良いと言っていた。何故かと聞くと「麻生さんの方がお父さんの会社に良いから」と泣ける事を言ってくれる。大臣が選挙に走りまわっている状況で役人共が外国とまともな話なんかできないのは当然の事である。中国との問題、ロシアとの問題、北朝鮮との問題、何れも基本的なところで何かがずれている。国連決議に基づいてインド洋に或いはソマリア沖に海上自衛隊を送って世界平和に貢献、なんてまやかしみたい事でお茶を濁しても誰からも感謝もされないし、世界平和に貢献なんて人の頭のハエを追う前に自分の頭を良く見ろだ。

折しも選挙戦、各党とも無い袖を振りあって国民のご機嫌取りに必死である。自民党だけは財源に責任を持ちますみたい事を言っているが、己がこれまでにばらまいてきた銭と無駄遣いを棚に上げて何を言うかだ。民主党が政権を取れば日本が美濃部都政のようになって財政破綻だと言う意見もある。確かにそうかも知れない。しかし一度やらせてみない事には始まらないだろう。小泉内閣以降だけで300兆円の借金をこさえて来ているのだから、民主党が4年間でどれほどの借金を積み上げるか見ものではないか。同じだったら4年後に政権をまた交代させれば良いのではとおもう。

自民党は外交を得意とする総理総裁が声を大にして国を守ると言っている。民主党については社民党等と共闘する必要から安全保障に関しては苦しい言い訳を言わされている。ここを又ぶれたとして自公に格好の攻め口を与えている。民主党としては苦しい処だろう。しかし余り右顧左眄しない方が良いかも知れない。インド洋の問題、非核3原則の問題にせよどっちに転んでも50歩100歩、今の日本は諸外国からまともに相手にされていない事は明らかである事の方が大問題。矜持をもって自分主張世界に発信すれば、世界はどのように反応するか分からないが、それはそれ迄の事で納まる筈だ。所詮は国内の問題じゃないか。

//以下は爺の寝言//
「経済的にも政治的にも世界に冠たる大国である必要はない、小国であっても他国にご迷惑をかけず、他国のお世話にもならないようにして、と言ってもそれは無理だから。他国とは出来るだけ対等のお付き合いをする。多くの国と平等にお付き合いをして特定の国を敵視しない。軍事的に仮想敵国を想定するのは結構だ。地政学的にどこが仮想敵国になるか分からないが、差し当たりは米国にしておけば間違いないだろう。外国との付き合いでは義理堅い国だとか、正義の国だと喜んで頂ける事を少しする。そんな国づくりを目指してほしい。」 //国家も個人も一緒の事か?//

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めて書き込みをさせて頂きます。私は小学生の頃に『明日の世界と日本』を毎週日曜日になると観ていました。僕の心にはこの体験が大きく影響を及ぼしました。制作されていた方に心より感謝を致します。

匿名 さんのコメント...

初めまして。
私も前述の方と同じように、小学生の頃から『明日の世界と日本』を観ていました。そして同じように非常に大きな影響を受けております。その後の世界(他国)に対する考え方の指標の一端になっている事は間違いありません。「出来るだけ対等に、平等に付き合い、特定の国を敵視しない」その通りだと思います。