2009年6月16日火曜日

郵政問題関連で

つい少し前まで政治家が出演するテレビ番組を興味深く見て楽しんでいたが、最近だんだんつまらなくなってきた。インターネットの高速化のお陰で、国会の生中継がオンディマンドで視聴可能になった事や評論家のコメントもきちんと読める様になったせいだろう。昨日も昔から視聴習慣化している「たけしのテレビタックル」を見た。しかしいまいちピンとこない、と言うか「これを見る多くの人はどのように捉えるか?」が少し気になった。

今日になってこんなブログを見つけた。リンクフリーだから大幅に引用する。
植草一秀氏(手鏡事件で有罪判決を受けマスメディアからは消えているが、インターネットのブログ世界では結構な人気があるようです)のブログからです。
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6月15日の「TVタックル」も酷かった。BPOに番組の是正を申し入れる必要があると思う。
日本郵政西川社長続投問題。
番組の流れは出演者の構成で決まる。
この番組は、もともと自民党小泉一家につながる人物が主要アンカーを務めている。
北野たけし氏、三宅久之氏が常に小泉一家寄りのスタンスを維持している。
6月15日放送では、ここに自民党田村耕太郎議員、竹中平蔵氏の秘書官を務めていた岸博幸氏が登場。また、元朝日新聞編集委員の萩谷順氏が出演した。岸氏はネットでも論考を発表しているが、読むに堪えないような文章しか発表していない。
自民党の田村耕太郎参院議員は政府紙幣発行論などを通じて、中川秀直氏、元財務相職員の高橋洋一氏などとも関わりの深い議員である。また、竹中平蔵氏、奥田かつ枝氏、オリックス専務取締役小島一雄氏などが関わるCMSA日本支部でも講演し、竹中平蔵氏ともつながる議員である。
番組でVTR出演するのが屋山太郎氏だが、完全な小泉一家陣営の御用言論人的な発言を繰り返す。
こうしてみると、西川社長問題を論じるための番組に、もとより西川社長続投を擁護するとみられるメンバーが6人も用意されていることになる。
江田憲司氏は一見、中立公正の論議をしているように装うが、「かんぽの宿」の40億円の赤字だけを強調することに象徴されるように、小泉一家の別働隊の一員とみるべきだろう。渡部喜美氏とともに行動する「偽装CHANGE勢力」は小泉一家別働隊であると理解するべきだろう。江田氏を含めると西川社長続投派が7名になる。あいまいな発言を示した北野氏を除いても6名だ。
唯一、日本郵政の問題を追及したのが民主党の長妻昭議員だが、長妻議員は年金問題に重点を置いて国会活動を展開しており、かんぽの宿問題の詳細までは把握していないとみられる。大竹まこと氏だけが、国民目線の素朴な疑問を提示するが、大竹氏の正しい指摘を補強する専門家が出演しないと、西川社長続投派が詭弁を展開して問題をすり替えてしまう。
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このあと更に番組を事細かに検証し、論点整理迄して、如何に偏向しているかを論じている。関心をお持ちの方は是非ご覧ください。http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/

このブログでも郵政問題に詳しい経済ジャーナリストとして挙げられている、町田徹さんと言う人の論文が今月発売の月刊文芸春秋に掲載されている「日本郵政 民営化は失敗したのか」。数日前にたまたまこの論文を読んでいたせいもあるだろうが、今日のこの植草氏のブログに共感を覚えてしまうのだ。
私の日記を読まれる方からは植草一秀と聞いただけで「お前は犯罪者のブログなんか読んでいるのか!」叱られるかも知れない。その辺はご容赦頂きたい、昔から変わり者の友達が多い私の事ですから。

私は郵政民営化が良いか悪いか分かりません。でも現在では悪いと言っている人がほとんど居ないようですから良いのでしょう(私は必ずしも納得している訳ではありません)。しかしこのプロセスが計画通り順調に進んでいるのかと言えばそうでもないようです。今のところ国民にとって最大のメリットは、税金を国に納めるようになった、と言う事のようです。しかし国民に対するサービス面では大分デメリットが顕在化しているようです。最大の目的であった郵便貯金や簡保の資金の有効活用は殆どうまくいっていないようです。そりゃそうでしょうね、いくらトップに元銀行屋さんが来たからといって資金活用がうまくいくなら石原慎太郎都知事も苦労しないでしょう。

ともあれ私はただの野次馬ですから、簡保の宿の一件についてだけは鳩山邦夫氏の肩を持ちたいと思います。昨日のテレビなんかでも、2000何百億かの資産を纏めて100何億かで叩き売る事は大した問題ではない、と皆さん事も無げに仰います。問題は毎年五十億円の赤字を垂れ流している事と民営化以前にこんなハコものを作った事が問題なんだそうです。

そうなんでしょうかね~。私は長野に帰郷した時に、よくこのハコものを利用させてもらっていましたので、これが非常に安くて快適なものであった事を知るものです。赤字のお陰を被っていた利用者の一人で、些か言いにくいのですが、赤字を改善する方法はいくらでもあるのではないでしょうか?むしろ2012年までに処分すると決めた事の方が早とちりではと思っています。従いまして邦夫さんには頑張って頂き、民営化の問題点を庶民にも分かりやすく解説してもらえたらな、と淡い期待をしていた訳です。そうすると自民党も民営化再評価と言いう点では野党と言っている事に差がなくなります。

所がさすが麻生太郎さん、小泉氏に何を言われたか知りませんが邦夫さんの首を取ってしましました。
でもこれで与野党の対立軸がより明確になったので良いかも知れません。マスメディアが好んで取り上げる問題は郵政問題だけではなく、官僚とどのように向き合うのかという大問題もあります。確かに大問題ではありますが、マスメディアが読者や視聴者に、嘘を知りつつ情報を発信していたら恐ろしい事になりかねません。若干マスメディアにかかわった身としては、さすがに嘘を知りつつは無いだろうと思います。しかし知らずに間違った情報を発信する事は多々ある筈です。

彼らは気がついても自ら訂正はあまりしません。今やマスメディアは巨大な組織になっています。しかもコンテンツの作成にかかわる人は勿論何の資格も必要ありません。メディア産業各社の入社試験はありますが、実際にコンテンツを制作しているのは殆ど外部の人間なんです。私はこの一角に居たから良く知っていますが、あまり上等な人間には会いませんでした。

最近マスメディア自身の嘘、発行部数の水増しなどが話題になってきています。報道を担当していた人間が年を取ると、どうして偉そうに政治の世界で口を聞いたりするのでしょうか。テレビに出演している元論説委員なんかも、生活が苦しいのかどうか知りませんが、そんな暇があるならきちんとした文章をインターネットで開示してほしいものです。今や妖怪じみた存在のマスメディアは常に一方通行で、これをチェックし是正できる人や機関が存在しない事が現代社会の不安です。

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