2009年5月21日木曜日

カフカ短編集 池内 紀編訳

あと1年を待たずに70歳、ふと己を振り返ると、社会現象に理解不能な事が余りに多く世の中と言うか娑婆の変遷についていけなくなりつつある事に気が付いた。家族の中では最年長、先生と言えばせいぜい碁会所の先生ぐらい。半端な仕事をしていると言っても経済の動向なんかはちんぷんかんぷん。既に周りには将来にむけて必要な知識を注入してくれる人も無く極めて寂しい限りの存在になっている。

それでも必死に60億人もいるというこの星の過去現在や未来を知ろうと、本や雑誌を何の脈絡も無く手当たり次第に読んだりするが、内容については事は読んだそばから忘れていく始末。第一普通の人が生涯で読む事が出来る本の冊数なんてたかだか5000冊程度のものだそうだ。ここ3年あまり、本を読んだら必ず読後感を書くようにしているが、実績で言えば精々1年に50冊くらいか。なるほど生涯で5000冊読みこなす人は相当な読書家と言えよう。

また読んだ本で記憶に残っているものは殆ど無い。半世紀以上前に読んだ本について残っている断片的記憶の方が多いのかもしれない。典型的ボケの始まりである。

さて肝心の感想であるが、何が書いてあったのかさっぱり分からない。分からなかったという事だけが分かっている。なんでこの本を買ったのだろう?確か最近の新聞か雑誌にカフカの「変身」と言う小説について「面白い」と言った事が書いてあり、それでついこの本を買ってしまったのだ。作者についても全く知識がなく、肝心の「変身」は収録されていなかった。何でもそんな大昔の作家ではないが、日本で言えば大正時代の人らしい。生国はチェコ?のプラハ、ヨーロッパについてはよく分からないが昔はロシアの一部だったのかな。分からないことだらけだ。

作者自身が「自分が死んだら、残された原稿はすべて焼却してくれ」と友人に依頼していたとの事。その友人が作者の依頼を裏切って世に出してしまったらしい。本来この世に存在しないはずだから、カフカさんも俺みたいな奴に読まれてしまって、残念かもしれないが、読んだ方も意味が分からないのだから良いではないか。

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