日米同盟があるからだろう、またはアメリカ・トランプ大統領の個性が強烈過ぎるからでもあろう。アメリカと言う国を見直すいい機会だと思って読んでみた。発行が1980年11月1日となっているから、もう60年以上前に出た書物である。当時は山本七平氏の日本人論がもてはやされていたことは記憶しているが、こんな面白いアメリカ論が出版されていたことは知らなかった。
本書は文藝春秋社からの発行で、半藤一利氏が編集者として奥付に記載されているが、著者はどこにも書かれていない。実際には哲学者と言うか思想家とでも言うのか鶴見俊輔氏が主役で、出版社が企画して亀井俊介氏を紹介。始めて対面させて二人がそれぞれにが経験してきたアメリカを語り合った内容を対談本として纏めたものである。従って内容は総て対談形式で統一されている。対談した二人は鶴見氏が1922年生まれ、戦前アメリカのハーバート大学留学中に大戦が始まり、敵性国民として逮捕拘禁されて戦中に捕虜交換船で帰国、この対談の時点でも戦後は渡米していない。
亀井氏は鶴見氏より10歳若い1932年生まれ、アメリカとの戦争は1941年からだから戦争には関与していないと思う。東大の出身でアメリカ文学者として名を成して東大の名誉教授にまでなった戦後派の学者。しかし二人のアメリカに対する目線はかなり接近していて、対談でも共感したところが多かった。アメリカは日本とは比較ならぬ広さと人種の多様さがある。
読書して痛感したのは歴史が浅いだけに、未だに開拓者精神の当初のピューリタニズムとプラグマティズム、勝手に解釈すれば宗教性と実用性を重視することかな、が色濃い社会であること。開拓者だから力や実行力が重要視されて、極端なこと言うとインテリはエッグヘッドと言われてやや軽視される社会らしい。そのように考えると思い当たる節が多々あった。
最後に、対談者二人が口を揃えて司会をした高田宏氏を褒めていた。この人物も京都大学文学部仏文科卒業の編集者で著名な人だったようだ。
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