母の思い出
家族のことを連続して書くのもどうかと思うが、ご容赦願いたい。このブログを読んでくれてる家族親族は多くないが、小生が今になって両親や祖父母について知りたいと思うように小生他界後に読む気が起きる人が居てほしいと思い、昨日は父のことを大分書いたので、今日は母についても書いておきたくなった。母からは父と大分異なる人生の楽しみを教わった。男ばかりの5人兄弟だったので、幼い頃にお勝手での料理とか裁縫からミシンの扱い方を少し習ったりしたが、これは大した問題ではない。やはり一番は読書の楽しさだ。母自身か幼いころからかなりの読書家だったように思う。両親や兄弟姉妹の関係があるかもしれぬ。
何れにせよ母方の実家にはいろいろな本があった。既に子供向け絵本は無かったが、母自身が編集に与った妹の遺稿集があったりした。ずっと以前にブログにも書いたがタイトルが「小さな野花」。非売品ではあるが昭和7年10月20日発行で現在でも国立国会図書館に存在している。先の大戦で父が南方バリ島勤務になった時から残留家族は長野にあった母の実家に転居、その後終戦に伴い更に祖母や伯父達と祖母の実家である松代町に転居して父が復員してきた昭和22年まで3年近く暮らした。この家は場所も馬場町と古めかしい江戸時代からの武家屋敷、庭には大きな泉水、柿の木だけで7,8本、梅や柏、ぶどう棚。東北と南東の角にはそれぞれ神が祀られ、西には大きな蔵、その前には古い駕籠が置かれて、子供心にも興味尽きない場所だった。
門を出ると目の前が堰(せぎ:小川)なっていて、洗面はそこで済ますが、飲み水は毎朝数軒先の家の井戸に貰いに行って台所の大甕に移さねばならず、これが子供の仕事だった。しかし家の中には大きな本棚があってそこに夏目漱石全集を中心に多くの本が納められていたことを覚えている。母に薦められて小学生時代に読んだ本は子供向け「小公子」と「心に太陽を唇に歌を」と「家なき子」と「イソップ物語」を挙げたい。少し大きくなって、多分中学高学年か高校に入った頃薦められた本に「狭き門」がある。著者はドイツのアンドレ・ジイド、訳者は記憶に無い。この本の内容は殆ど記憶に無いが、望みは安易に手に入らぬし、手にいれようとするなとの警告だったように記憶している。
他に父と決定的な違いは旅行好きなこだ。残念ながら字数過多で書くことが出来ず申し訳ない。
0 件のコメント:
コメントを投稿