現役時代に長年広告とか広報に関わってきたので、結構な思い入れがある。これらが社会に齎す影響について一概に善とか悪とか断定はできないし、プラスマイナス両面性があることは認めざるを得ないだろう。言えるのは広告広報に必要不可欠なものが媒体であることだけは間違いなさそうだ。60年チョット前の4月に社会人となって初めて、市ヶ谷にあった大日本印刷の工場見学を思い出している。
当時は知らなかったが、高校同期生の一人が同社に入社していて、後に何かの会合で会ったときには専務取締役にまで昇進していた。ひょっとすれば現在でも最高顧問的存在かもしれぬ。現代は小生のような普通の市民が平気でネット上に意見を開陳する時代になっているが、これも僅か100年を少し超えたくらいのこと。それ以前には、文書は1通ずつ書くしかなく、ヨーロッパでは印刷技術が500年くらい前から発達したようだが日本では文書の木版技術の発展は相当遅れた。
しかし日本でも明治になると、木版による出版を志す人物が現れたことを昨日初めて知った。名前は【長谷川武次郎】昨日の夕方何気なくつけたテレビで彼が設立した長谷川弘文社から、数多くのちりめん本が刊行され、日本の文化を海外に紹介することになった経緯を知った次第。ちりめん本なる言葉も初耳だったし、これに小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)も協力していたことなど、実に興味深かったが、残念なことにBS放送だったのでNHKプラスでも再確認することが出来ない。
ちりめん本をごく簡単に説明する。和紙に日本のお伽噺を木版(30色以上)で絵付けし、英語(木版活字)で説明を加えている。これを製本する前に和紙をちりめん状態に圧縮することで絵に深みが生じている。この木版が最近発見されて、NHKとどこかの印刷会社が共同で復刻を果たしたドキュメンタリー。実に見応えがあったのでNHKに再放送の確認をしたが、今のところ予定はないとのこと。ちりめん本は1900年のパリ万博にも出品され海外でも大きな注目を浴びて、現在でも海外の図書館に保存されいるケースは多いとのこと。
現代は次から次へと新しい媒体が開発されるが、手にする或いは見る気にもならない。先人が残した貴重な文化(遺産)だけに知る人が少ないことを重ねて残念に思う。
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