曲がりなりにも自宅に仏壇を持っている仏教信徒の端くれとして、首相の施政方針に苦言を呈したい。石破首相はキリスト教徒なので人間観が異なるのだろうが、年初の施政方針で「楽しい日本を目指す」と述べられた。昔から親が子への訓えの基本は刻苦勉励にあり、決して楽しめとは言わないものだ。人生は苦しみの中でささやかな楽しみを見出すことに意味があるので、楽しみは求めて得られるものではあるまい。小生も毎日老後の楽しみを色々求めて暮しているから禁欲主義でも何でもない。しかしできるだけ多くの人が平穏に暮らせる平和な世界を夢見てる。
年初に目指す日本社会を、弱者救済、貧富の格差、教育の格差を狭めるとか何とか言った方がまだ益しだったように思う。いつの時代も、首相の周辺で見える景色はエリート社会の一角しか無いので仕方ないかもしれぬ。エリートたちが忘れがちな庶民は、日常的に<生老病死>四苦の何れかに悩まされていると思う。首相も言葉としてはご存じだろう。
これに加えて八苦があることは知っていたが、お釈迦様は何を加えたか知りたくて調べてみた。
愛別離苦(あいべつりく): 愛する人と別れなければならない苦しみ
怨憎会苦(おんぞうえく): 嫌いな人や憎む人に会わなければならない苦しみ
求不得苦(ぐふとっく): 求めているものが得られない苦しみ
求不得苦(ぐふとっく): 求めているものが得られない苦しみ
五蘊盛苦(ごうんじょうく): 五つの蘊(うん)(色、受、想、行、識)が盛んに働き、苦しみを生み出すこと
五蘊盛苦は説明を読んでも難しいが、生きてる限り執着心から逃れられないことらしい。しかし言われてみれば何れも尤もで、日本に暮らす人すべてに当てはまるかどうかは別として、楽しみなんて程ほどにしておかねばなるまい。
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