2024年3月29日金曜日

読後感「モンテ・クリスト伯」アレクサンドル・デュマ著 新庄嘉章訳

 フランス人の著者が1844年(天保年間)頃から数年に亘って発表したものらしい。当時日本でも「南総里見八犬伝」など長編小説はあったのだろうが、兎に角フランスでは大人気となり芝居にもなったりして、著者デュマは大金持ちになったそうだ。小生も子供の頃から絵本などで何度も読んだ記憶はあるが、正確なストーリーを確認する意味で、昨年12月3日に講談社文庫:全5巻をアマゾン・Kindle版で購入、昨日やっと読破した。

Kindle版は場所を取らないメリットはあるが、読書の途中で前に戻って読み返すには実に不都合。1冊が500頁を超える大作になると登場人物も多く、読み返しができないのが真に不便。仕方なくうろ覚えのまま読み進まざるを得なかった。あらすじは多くの方がご存知だと思うが、19歳青年船乗り<エドモン・ダンテス>の乗り組んだ外洋帆船が航海途中で船長が死亡。エドモンが代わりに指揮を取って故郷マルセイユへ。

途中、前船長の遺言でエルバ島に立ち寄り、ナポレオンの側近のベルトラン大元帥に小荷物を届けたことから、友人の裏切りもあって当時失脚していたナポレオンの親派と見なされて逮捕、投獄の憂き目に。彼には許嫁もいたが、彼女も裏切りの友人に奪われる結果に。投獄は14年に及ぶが、獄中で不思議な老人に出会い、モンテ・クリストなる島に莫大な財宝があることを教わる。老人は獄中で死亡、エドモンは老人に成りすまして海中に投げ込まれるが脱出に成功。

老人から教わった島に辿り着いて財宝を手に入れる。それから10年、財宝を手に入れた主人公が、彼を裏切った昔の知り合いに報復をしていく筋立て。当時のフランスルイ王朝と島流し中とは言え生きているナポレオンには当然親派もいてフランス社会は複雑な情勢ながら、海洋国家として世界中と付き合っていたので話が拡大して面白くなっていく。現在のロシアなんかも似たようなものと思うが、フランスもヨーロッパと言う多民族国家の一角であったのは間違いないところだろう。

19世紀の作家が、当時の時代を背景に書いてるだけに、読み応えは十二分にある。同時に日本と比較すると、受け継いでいる文化の違いを大いに感じることができたような気がする。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

>アマゾン・Kindle版で購入、昨日やっと読破した。

という事は、新しいパソコンでアマゾン・Kindleにアクセスできるようになったのですか?

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもコメントをありがとうございます。
残念ながら、新しいパソコンは未だに使えません。
これを読むたびに古いパソコンを引っ張り出しました。