2024年1月16日火曜日

理解不能事項

 大勢の方が同じように考えていると思うが、人間は自らを万物の霊長と偉そうに言うが不思議な生き物だ。兎に角分からないことが多すぎる。確かに集団行動が少なくてコミュニケーションの取り方一つでも実に多様、他の動物と大きく異なる。他の動物に人類学者が居たならば種類を区分けするのが大変だろう。人類のどの種類をとっても脳が異常に発達してるらしい。この脳を研究して有名になった日本の学者に養老孟司先生がおられる。

先生の書かれた本は何冊か読ませて頂いたが、直接お話を聞いたことがないのがちょっと残念。先生も似たような年齢だし、こちらの余命を思えばこの世で直接話を聞くことは無理だろう。先生の説で昔から面白いと思っているのが「人間知恵が発達してもハエ一匹作ることが出来ない。即ち生命の複雑さはとても人知の及ぶものではない。」この他にもバカの壁など、人間の思い上がりに対する警告は拍手を送りたくなる。

そして最近は今流行りのAI(Artificial Intelligence=人工知能)に対しても、批判的なご意見を開陳されている。愉快なのはChatGPTに代表される生成AIに対する批判。「人間がオートバイと競争して何になるのだ。」仰る通りと拍手したくなるが、小生は少し違っている。当然先生は生成AIをお使いになった上で言っているようだが、小生は未だ使い方がよく分からないので、それを利用して便利に思えばそれはそれで結構じゃないかと思ったりしている。

そのことは措いても、人間のすること不思議で、まず自分のことさえ殆ど分からない。先日も少し書いたが、今月発売の月刊文藝春秋にあった「睡眠は最高のアンチエイジング」執筆は筑波大の先生だが読んでみた。こっちも養老先生に負けないくらいの偉い先生かもしれぬ。しかし結論的には睡眠の科学も緒についたばかりで、殆ど何も解明されていないらしい。平たく言えば、睡眠はある程度しっかり取ったほうが健康のためになるだろう、程度の話で、時によっては軽い睡眠薬のお世話になっても寝たほうが良いよとのこと。

脳の働きが感情をコントロールしたり、身体の細部に至る諸機関をコントロールしてることは何となく理解も可能だ。その諸機関を形成している細胞も実験室で作ることにも成功している。これで寿命が延びると喜ぶ人もいるだろうが、それでどうするの?と聞きたくもなる。分からぬことは相当あるが、それが当たり前と思うようになってきた。

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