2023年12月19日火曜日

専門家の意見

 現代は情報化時代、文字情報が主だった我が現役時代と比較すると、映像情報が主になってきているようにも思う。昔は1億総白痴化なんて悪口を言われたこともあるテレビだが、ニュースはほとんどこれに頼るようになった。報道の解説に関しては、昔から新聞の独壇場だったが、最近はテレビの社会情報系番組が多くなって、論説、解説にあまり興味がない小生あたりでも結構専門的な分析や解説が情報としてインプットされる。

ところが昔からよく言われるように、映像情報は文字情報に比べると思考に繋がらないし、記憶にも適さない。夜の時間帯に置かれているBS/TBSの「報道1930」やBS/フジ「プライムニュース」と言った番組はよく視聴するが、これらの番組の司会者が口にする「今夜はこの問題を読み解きたいと思います。」とてなるほど専門家が登場する。確かに昔は検事上がりの人が書いた書物を読んだりした記憶はあるが、生の声なんか殆ど聞いたことがない。それが今やテレビで聞けるのだから有り難いと言えばそうかも知れぬ。

しかしこんな専門家の詳しい解説を数分聞いて何になるのだろう?外国の戦争に関連しても同じこと、日本にも外国の戦争を研究している人がいるとは知らなかった。昔で言えば東條英機に嫌われて終戦当時は予備役に落とされ山形の田舎に逼塞していた石原莞爾のような軍人崩れだろう。そういった人たちの意見は専門家同士では貴重だろうが、素人の小生には猫に小判でなんの役にも立たない。外国情報機関の日本担当がそれらのテレビを監視していればそれなりに役に立つかも知れぬ。何れにしても大部分の視聴者にとって殆ど意味が無いと思う。

子供時代にラジオで聴いた「20の扉」や「話の泉」のように、専門家には専門以外のところでの知恵や頓知を披露してもらった方がよほど楽しいし有益だ。番組のプロデューサー諸氏はも少し自身の感性を磨いて、そこから湧き出た疑問を自分で追求して制作に当たってほしいが、無いものねだりかもしれぬ。言いたいことは、報道は何事も事実をきちんと抑えて報道すること。カメラを伴ってのことは手間も暇も大変だろう。ガザ地区やビルマの戦線で取材記者が多数犠牲になっている事実には胸の痛む。

どこの誰が取材したか分からぬ映像に専門家の解説を被せて、一丁上がりでは全く報道とは言えない。遠い他国の戦争や政治情勢など実況放送は一市民には要らぬ話だ。国内にある問題の数々に目を向けるべきだろう。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

私は「専門家」という肩書がウソっぽいと思います。
例えば「軍事の..」「ウライナの..」という具合に、頭が必要です。
それを誤魔化しています

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもコメントをありがとうございます。
確かにご指摘の通りですね。