2023年4月1日土曜日

憧れ

 もう今日から4月、歳月は人を待たずさっさと過ぎていく。喜ぶべきか悲しむべきかは分からない。コンサートホールに出向いてクラシック音楽を聴くほど高尚な趣味には縁遠いが、「BS・日本こころの歌」は当日視聴できなくても録画してだいたい視聴している。今週も夜の番組が食指の動かないものばかりだったので、2回分くらいまとめて観た。

何れも昭和20年代に鉱石ラジオで聴いたような流行歌。メロディーは聞き覚えがあって親しみが湧くが、それ以上に歌詞が良い。正に時代を反映しているので非常に親しみを覚え、心休まるおもいで就寝前の睡眠導入には最適とも言える。昨夜視聴した中で今朝まで印象に残っているのは「青い山脈」「山の彼方に」「長崎の鐘」3曲。中でも「山の彼方に」は映画も観ているので、その事も思い出して懐かしかった。

主演の池部良氏が当時何歳か知らぬが、今で言えば精々30歳前後ではなかろうか。何れにしても昔の大人は格好が良かった。現代と異なるのことは昔の青年は凄く大人びて見えたこと。現代はいいおっさんやおばさんが変に若いフリをしていること。加山雄三氏なんかが典型かもしれぬ。年齢相応で生きてるようにみえるのは草笛光子氏くらいしか思い浮かばない。

脱線してしまったので昭和20年代の歌詞に戻す。当時の日本は今のウクライナの比ではない。戦争時代の末期3年間の戦争だけで軍人一般市民合わせた死者数が300万人を超えていると言われている。戦勝被害者の正確な数は未だに特定できていないのだ。我が父だって戦後2年間は音信不通。どこに居るかさえ分からず、母が1円玉を放り上げては表だったら生きている、裏だったら亡くなっていると占っていた光景が目に焼き付いている。

たまたま我が家では運良く父は昭和22年に生還できた。そんな時代に市民は希望を失うこと無く、「青い山脈」や「山の彼方に」の歌詞に託し、また「長崎の鐘」にあるように<なぐさめ、はげまし>あって生き抜き今日があるのだと思う。比較して思えば「今日だけ、今だけ、金だけ」の現代。人々は何を縁(よすが)に生きてるのだろうか?

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