2023年3月11日土曜日

3月の悲劇

 季節外れで気持ち悪くなる暖かさが続いている。暖房不要は結構だが、三寒に戻る日が恐ろしい。12年前の今日も暖かったが、夕方に入ると寒かった記憶がある。10年一昔と言うから12年は相当昔であるのも事実、しかし忘れっぽい日本人であっても忘れてはならない日でもあろう。個人的には被害が小さかっtが、それでも当時仕事をしていた近くの事務所では、棚からテレビが飛び出してコード1本の宙吊りになり壊れてしまった。ボロアパートの2階だったが、結局揺れが収まるまで立ち上がることも出来ず机にしがみついていたことを思い出す。

思えば70歳の坂を超えたばかりになるが、結構元気もあったし友人たちも元気で活躍していた。その友人2人に誘われて、原発汚染物処理に関する事業に参加したりしたのも今や思い出となってしまった。研究は東京農大のM教授中心に進められ、小生はそのグループのホームページを制作に携わった。教授の構想は水を含む汚染物質を高温で処理して汚染物質を取り出すことにあったように記憶している。その実験施設を福島県内に定め、実験炉建設に掛かる予定だったが、結局国からの資金援助が得られず断念せざるを得なかった。

国に求めた資金額は確か数十億円で、その後政府が除染に投じた額からすれば僅かだったと記憶するが、こちらの役者不足で政治の見方を変えるに至らなかった。結局日本政府は除染理論から踏み出せず、未だに放射線汚染物質を取り出すことが出来ずにいる。挙げ句の果が、今回の汚染水海洋放出の騒ぎだ。なす術が無いので海に放出はいかに乱暴な構想だと思う。要するに政治家の発想は、根本的にゼロに立ち返って考え直すのが苦手で、従来からの延長で考えるアナログ的な発想しか思い浮かばないようだ。こちらのプロジェクトも解散して久しく物故した友人も多くなった。

3月10日は昭和20年の東京大空襲の日、そして今日は東北大震災の日、どっちも想像を超える大きな災いを齎した。自然災害は何時か必ず再び発生するし、戦争被害の可能性は高まる一方。国と同じで小生も何の防御策も講じていない。一昨日と昨日はワールド・ベースボール・クラシックで悲劇は忘れ、日本が沸いたと思う。それは結構だが、どこかで昔のことを思い出す必要はあるだろう。

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