2023年1月11日水曜日

情報不毛時代

 現役社会人の終わりくらいまでは報道と言えば印刷媒体と放送媒体が主体、そこにインターネットなるものが登場してだいぶ様子が変わりそうな雰囲気が出て、最後の10年くらいはインターネット関係の仕事で起業し、一儲けさせてもらった。その仕事からも足を洗い、本当の年金暮らしになって早いもので20年近くになる。この20年近くで世の中は想像以上に変化をした。当初はインターネットはエロ映画を見るに最適など、問題点もあるなんて考えたこともあるが、もっと大きな問題は、インターネットが報道機関として台頭したことだろう。

インターネット上にある情報は発信者の特定が難しい。例えば戦争状態にあるロシアとウクライナに関する情報はネット上に毎日ゴマンと登場してるだろう、そこから既存の印刷媒体や放送媒体は引用することも最近は珍しくない。もちろん大手の媒体社では、発信元を確認して信憑性があるとした上でのこととは思う。ではロシア政府やウクライナ政府どのように情報を収集してるか疑問はないだろうか。正直これがどうも怪しい、日本の公的メディアでまともに取り上げて良いものかどうか。戦争状態にある両政府は情報を意図的に編集するだろう。先の大戦当時日本もそうだったし、現在も政府発表は焦点をぼかしたものが多くて分かりくい。

情報が多くなればなるほどに、受け手側とすれば判断に迷って当然だろう。このことが世界中で起きて社会が混乱、或いは分断し始めているのかもしれぬ。価値観は十人十色でマチマチでいいと思うが、人間は不思議と徒党を組みたがる習性がある。人間の習性でなく猿や他の動物と同じだが、人間にとって情報と言う環境が他の動物とは大分異なり、今やAIによるかどうかは別にして、情報がほぼ無限に大量生産されう時代になってしまった。

これに対抗する手段は今のところ確立されていない。国際連合という組織は先の大戦後人類の叡智が作り出した組織と言っても良いと思うが、もはや国連ですらまとも機能しなくなりつつある。むかし報道機関をマスコミと言い慣わしたが、現状はウルトラマスコミで時代で社会の木鐸たりうるものがどこにも見つからない情報不毛の時代とも言える。これは情報について学んでいる若い人たちに真剣に考えてもらいたい。

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