2022年12月1日木曜日

認識ギャップ

 比較的治安状態が良いとして国際的にも認められている日本で、土曜の夕方八王子市内の東京都立大学校内で、同大学教授の宮台真司氏が何者かに襲われて重傷を負う事件が発生した。氏についてはネットでは毎度お馴染みだし、直接講演を聞いたことも有る有能な社会学者と認識している。氏は暗闇の中、いきなり後ろから頭と首に切りつけられた。氏は空手や中国武術など武道に精通していたので、全身相当な切り傷を負いながらも不幸中の幸いで一命だけは取り留めた。しかし今のところ犯人は逃走して特定されず、動機も確定は分からないままだ。

兎も角、講義が終わるスケジュールを事前に把握していた可能性が高いことや、氏のメールやツイッターのデータ解析からもトラブルの確認は伺えず、何らかの言論封殺の可能性が高いともされている。氏は7月の安倍元首相暗殺事件に関し、山上容疑者の犯行の動機を、「統治権力に政策変更を迫る世直しテロ」ではなく、「個人的不満と統治権力に頼らない自力救済」だと述べていたそうだ。今回の事件が7月の事件と関係がある、或いは共通する何かがあるかどうかは分からない。

日本社会に何か澱のような物が溜まり、そこから時折吹き出る可燃性ガスの不気味さを感じざるを得ない。日本は一見するに極めて平和で、若干の価格高騰があっても物資も豊富だし、冬を迎えても暖房用エネルギーや、車のガソリン供給が滞ることも無い。しかし、先行きを思うと余りに希望的な材料が少なすぎるようにも思う。例えばコロナ対策、相手がウイルスだからいつ収束かは分からなくても仕方無いとしよう。しかし、これまで世界一の医療先進国とされていた日本で、この3年間に何が出来たのだろう?

少なくとも外国では、コロナ禍発生によって耐ウィルス解析が劇的に進化し、ワクチンが驚異的スピードで開発されたと言われている。専門家は、日本でも開発は出来ているが承認されていないだけと言うが、承認システムのどこに問題が有るのかはっきりさせてもらいたい、と言いたくなる。お上のすることに違和感を感じるのは、市民が直面する問題への対処が余りに悠長すぎる。議論に登場するのはいつもの常連ばかり。有識者とされる彼らは常識程度の知識は有っても、最新事態に関する専門知識には欠ける。対処の決定が速やかにされる筈も無い。

何の知識や知見を持ち合わせない小生でさえ、インターネットのお陰で最新の情報だけは簡単に入手可能だ。この認識ギャップが澱となって社会に様々な悲劇を生んでるとしか思えない。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

岸田政権をなんとかしなければ日本はダメになると思います。

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもコメントをありがとうございます
私も全く同感です。
ただ、その心配はまもなく終わるだろうと思っています。
自民党内の反岸田勢力、菅・二階連合が岸田首相を見限り、次を検討し始めているようです。まさか河野太郎や小泉進次郎を担ぎ出すとは思いませんが、それにしても次の人材が心配でもあります。