2022年7月13日水曜日

禁じ手

 先月末から今月始めにかけての暑さが嘘のよう、戻り梅雨ではないらしいが雨模様が続いて些かホッとした気分だ。

一昨日のBS/TBS「報道1930」でレギュラーコメンテーターの堤伸輔氏が教えてくれた。「日本は既に財政ファイナンスを実施していますが、世界にはもう1カ国財政ファイナンスを実施している国があります。それはウクライナです。」とのこと。経済知識がないので言葉の意味さえ分からない。wikiで調べてみたら「中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けること。日本では、極端なインフレを引き起こす恐れがあるとして、財政法第5条によって特別の事由がある場合を除き中央銀行(日銀)による国債の直接引き受けは禁止されています。」と書いてあった。

禁止されている筈の政策が特別の理由で実施されているのは、国会の承認があるのだろう。過去にも財政ファイナンスが実施されたこともある、1929年の世界的大恐慌に際し、日本では時の蔵相高橋是清氏が、この政策を国会の承認を得て実施、なんとか不況を乗り切ったとして3年後に「景気回復に伴い、高橋蔵相は金融緩和政策を転換するとともに財政規律を回復させるため、日銀による国債の直接引き受けを停止しようとしたが、その寸前で非業の死を遂げる。世に言う「二・二六事件」である。その後高橋蔵相の暗殺によって歯止めがかからなかった「財政ファイナンス」の弊害をその後更に拡大させたのも軍部だった。」とも書かれている。

確かに日本は戦争には負けるわ、紙くずと化した戦時国債を買った国民だけでなく、ほぼ全員が戦後日本を襲った急激な超インフレで塗炭の苦しみを味わった。ウクライナと昭和初期の日本の例だけで、財政ファイナンスを戦争に結びつけるのは適切でないのかも知れぬ。しかしその禁じ手政策を平時に採用して、後始末できない現在の状況を作り出したのは第2次安倍内閣。佛になってしまった人の悪口を言うのは褒められないだろうが、事実は隠しきれない。アメリカもそのことは十分承知しているのだろう、葬式も済まぬうちに国務長官と財務長官を日本に送り込んで、首相と蔵相に釘を差している。

恐らく「慌てて政策変更するなよ。」とでも言ったに違いない。国務長官はどのくらい忙しいのか、首相との面会時間がたった10分。勿論安倍邸にも行っていない。安倍家は祖父岸信介以来のアメリカ代理人一家。代わりが誰になるかはアメリカとしても少し時間がほしいところだろう。

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