2022年6月7日火曜日

世相と空気

 大昔読んだ記憶のある山本七平氏の著作「空気の研究」と言うタイトルが思い浮かぶほど、今の日本は、ロシアのプーチン大統領への非難が暗黙の了解になっている。確かに氏はウクライナの地域紛争状態に今年の突如介入して、一気に国と国との戦争とほぼ同レベルに引き上げた。以来既に100日以上、日本では氏の極悪人説は一種の空気になってしまっている。戦争を終結させるために日本にできることは、ウクライナに対するささやかな支援と、アメリカに同調してロシアへの制裁を課すことであり、あとはロシアの敗北とプーチン氏の死か引退を祈ることが定番となった。

へそが曲がっているので、どうもこの一色感が気に入らない。この空気を盛り上げている方々は勿論マスコミに登場してくる識見豊かなエリートの面々。空気に抵抗してる政治家は鈴木宗男氏とその家族くらいだから、どう見てもエリートとは言えない。ロシアや中国と取引してきた経済人の中にはロシアや中国擁護を思う人も少なくないと思うが、物言えば唇寒し状態にあるのだろう。

個人的にはロシアを擁護したいが、残念ながらその根拠に乏しいのも事実。この異変前まで全く無名であったウクライナの政治経済文学スポーツ等関係者が、ウクライナ正義と被害者論を力説強調するのは已むを得ない。しかし、ロシア関連同様の人の多くが空気に押されるようにロシア否定で声を上げているかのようだ。ロシアとは明治時代に戦争になったり、先の大戦末期には数十万人の兵隊さんが捕虜になったりした因縁はあるが、江戸時代の交易関係も忘れることが出来ない隣国でもある。

遠いウクライナの戦争を理由に、岸田首相自身が国際的に一致する意見だからとのことで、こちらから国交断絶に等しい態度を取ることは褒められる話ではない。どんな形でこの戦争が終結するか分からないが、その時の政府はどのようにしてロシアとの国交を考えるのだろう?今や世界はアメリカを中心とする諸国、中露を中心とする諸国に二分されつつある。日本が前者に傾くのは仕方ないにしても、バランス感覚をもって世界各国との付き合いを考えるべきだ。

ネット上には中露側の事情を空気と異なる見方で見る人が結構多くいる。その典型的な有名人の筆頭は鳩山由紀夫氏。彼は個人でネット番組を持ってるからか、或いは大物すぎて放送局が敬遠するのかしらぬが、もう長いことテレビでは見かけなくなった。嘗てアナウンサー出身の丸川たまよ議員が「この愚か者!」と罵ったのが懐かしい。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

お暇な際にでも
>ジオヒストリー - YouTube
https://www.youtube.com/c/geohistoryjp

信じるか否かはさておき、小説代わりに

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
何時も貴重な情報を教えてくださりありがとうございます。
早速1本観ましたが、面白いですね。小説以上でしょう。
他の編も観てみたいと思います。