2021年11月6日土曜日

安全保障

 昨日の午後2時過ぎくらいだったと思うが、少し変な時間に玄関のチャイムが鳴った。怪しさを疑って玄関を開けずに帰ってもらおうかとも思ったが、「近くで工事を始めますのでご挨拶に伺いました。」と聞いて仕方なく玄関に出た。すると立っていた青年が首からぶら下げたケース入りの名刺を提示し、「足立区の何やら建設です。明日からその角を曲がった先のなんとかさんの家で工事を始めさせていただきます。騒音などでご迷惑をおかけしますが、ご了承願います。」と立て板に水。「ああ、分かりました。」と答えてからやっと気がついた。

もう1年以上前になるが、同じセリフを聞いたことを思い出した。近所の工事で迷惑の挨拶だったら、通常は施主と同伴で手拭いの1本くらいは持参するものだ。するてえと案の定、件の青年「実は待っている時ふと見上げて気がついたのですが、あそこに出ている釘が相当古く錆びてるうえに緩んでいます。危険ですので直してもらって下さい。ご主人ちょっとこちらに来て見て頂けますか?」ときた。前回は確か玄関の庇板が緩んでいるとか塗料が剥がれているとかだった。

「見ず知らずのお宅から我が家のことを言われる筋合いはないから放っといてくれ。」とやや強めに言ってお引取り頂いたが気持ちが悪い。丁度その時、斜め向かいの奥さんが買い物に出かけるつもりだったのだろう、自転車を引っ張り出したが、我が家の前で道路脇に自転車を置いてやり取りを見学してくれた。そのせいもあって青年も早々に退散したと思う。青年が去った後、久し振りに家内が仲良くしていた斜向かいの奥さんと暫く井戸端会議に及んでしまった。

奥さんはこの青年の行動を家の中から数分間観察していたようで、お宅で三軒目だとお教えてくれた。彼等がオレオレ詐欺のような集団に属する一員で、建築関係者でないことは意見が一致したが、それぞれの家からどんな情報を引き出したかははっきり分からない。我が家の駐車場は草が生えて駐車した形跡は無い。青年は「ご主人、車は運転されますか?」と聞き、こちらは「しない」とだけ答えた。

この奥さんも旦那が長期入院中なので殆ど一人住まい。年齢はこちらと殆ど変わりが無い筈。先程の小生同様に、日頃都会ならではの薄気味悪さを感じているとのこと。特に電話は警察から「電話にはなるべく出ないように!」と言われているそうだが、どうしてもすぐ出てしまうので、毎日詐欺まがいやら営業電話に苦労してるそうだ。毎週一回はゴルフに行っていたのだが、一緒に行く人が皆80代、運転する人は自身の視角が狭くなっていることに気がつかないらしい。先週レーンを外れてとても怖い思いをしたので、今週は天気が良いのに断ったばかり。」とのこと。

改めて思ったのが、全国どこでも同じだろうが、交番と駐在が激減していること。我が家は目白警察の所管なので、この数年お巡りさん家庭訪問も途絶えている。南シナ海の安全保障より市民の安全保障が大事かもしれない。

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