2021年8月5日木曜日

万全の対策

 既に3日前の報道になるが、中国湖北省武漢市で1年3か月ぶりに新型コロナ感染者が7人確認されたと発表された。その時のテレビで報道では食料品売場が空になったスーパーの映像が出ていた。市民のロックダウンを恐れての予防行動だ。しかしロックダウンはなく、市政府は市民全員(約1200万人)のPCR検査の実施を発表したとのこと。その後の報道を待ったが、オリンピックが忙しいテレビ局にはその暇は無いようで、残念ながら何も無い。

武漢市は昨年の正月、新型コロナの発生源になったことで有名だが、その当時講じた対策も有名だ。中央の指示だったと思うが、真っ先に市の責任者(市長だったか医療保健担当者だったかは忘れた)を更迭した。そして全国から医療従事者の大動員を命令。上海から応援に駆けつけた医師の記録「武漢支援日記」(2020年11月24日読後感参照)に詳しいが、他にも1500人収容コロナ専用病棟を2棟を20日間くらいで完成させたことは広く世界に知られている。

これらの対策は、共産党1党支配の専制国家だから可能だったのかもしれない。日本は民主主義国家だから、そんな真似はできないとする人が多いように思う。しかし日本も、現在は一部地方に非常事態を宣言したりしている。しかも東京に限定して言えば、非常事態宣言は昨年の冬以来既に4度に亘り、今年に入ってからは非常事態でない時は僅かに1ヶ月だったか2ヶ月にも満たないと思う。更にご丁寧なことに非常事態の宣言や事態の延長が決まると、何故か首相閣下がテレビの前に出てきて演説をされる。

市民は聞き飽きてるが、出てくる時間がテレビのゴールデンタイムだから視聴率が高いに決まっている。小生も何度も観てしまった。首相の演説は既にパターン化していて、新型コロナウィルスの蔓延状況は危機的状態にあるので宣言を発出せざるを得ない。政府としては国民の生命を守り、皆さんに安心してもらうために万全の対策を講じます。に尽きる。

時々この中継現場にいる記者から「首相はご自分の責任をどう感じていますか?」とか「これが最後と断言できますか?」なんて質問が出ることもあるが、「対策に全力を尽くすのが私の責任と思っています。」くらいが関の山。万全の対策とは何ですか?と聞く記者は居ないが、もし聞かれたら首相は恐らく次のように答えるだろう。「それはこれから5大臣会合に諮った上、明日専門家会議で決定してもらいます。」

一人暮らしだから、家族が肺炎になって入院できず家族感染の心配をする必要もないが、我が人生はこの首相が率いる政府に委ねられているのが宿命である。余り有り難いとは思えなくなってきても仕方あるまい。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

>何故か首相閣下がテレビの前に出てきて演説をされる。

ホントに、なぜなんでしょうね~
下っ端大臣と首相閣下の顔出し条件がサッパリです。
最近は増えたように思うのですが、選挙向けですかね。
あの三白眼が出現するのは、悪評の元凶だと思います。
また今日の夕方には出現し、五輪中継を無理やり割いて放送するのでしょうね

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもありがとうございます。
>また今日の夕方には出現し、五輪中継を無理やり割いて放送するのでしょうね

確か昨日の夕方もあの顔をテレビで見ました。
もういい加減にしてほしいです。