2021年6月14日月曜日

思想信条

 主要7カ国の首脳が2年ぶりにイギリスのなんたらという小島に集合して会談をした。3日間の日程の後半には韓豪印等のゲスト国が参加しているので凡そ10カ国+α。思想信条を同じくする国だそうで、協力して世界ををリードしていくことが目的だったらしい。小学生の頃教わったのは世界に80近い国があることだったが、最近は国連に加入している主権国家が193カ国もあり、その他にも日本が承認している国バチカン,コソボ共和国などがあるから、地球上には200近い国家が存在するらしい。

個人の思想信条は十人十色だろうが、国家の思想信条もどうやって引き出すか知らぬが、危ういものだ。この会議で思想信条の一致を力説強調したのはアメリカのバイデン大統領だったようだが、一致が難しいことを知ってるから強調したのかもしれぬ。仮に一致したとしよう、それでも人口比で見れば全世界の約1割。流石にGDP比では5割を上回るだろうが、この思想信条で世界をリードしたいとは少し思い上がりが過ぎないだろうか? 

アメリカは特にそうだが、どこの国でも最近は経済政策の行き詰まりから、資本主義に対する疑問が出始めている。資本主義を推進してきた社会は個人の自由に最大の価値を置く民主主義。G7の首脳はこの思想で世界をリードするつもりだろうが、果たしてそれが全人類に取って最良の選択肢かどうかは些か疑問だ。比較して思うと、中国は1国で世界人口の1割を優に越しているのだから大変な国だ。国内の思想統一のため、少数民族に対する人権を無視した同化教育が、今回のG7でも大きな問題となって、中国に対する非難が声明に盛り込まれている。

中国の施政を褒めるつもりはないが、欧米でも国家が行っている国民への思想教育は似たようなものだろう。国民が国家に対する忠誠心を持たなくなれば、現在のミャンマー状態になるのだから当たり前だ。いざという時、国民の大多数が一定の方向に向かえることは重要だろうが、日頃の思想教育でそうするより、日頃は個人に思想の自由を与えておいた方が良いように思う。幸か不幸か我が日本は自由すぎるくらい自由で、義務教育でも社会生活の基本理念に関する教育的なことは全く行われていないように思うし、考える力をつけるために文科省が何を考えているか全く分からない。

今日も友人と話した際に話題になったのが、子供じみた大人が多いことだった。「人新生の資本論」なんて本がベストセラーになり、友人に薦められて読み初めたが、難しくて途中で投げ出してしまった。現在は正に思想信条の暗黒時代と思っている。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

アメリカは「一致した」と言っているのではないと思います。
「世界は、アメリカ大統領たる、私の発言に従った」と自国にアピールしたいのだと思います。
日本は何を言われたところで、「同意した」と翻訳されるのでしょう

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもコメントをありがとうございます。
仰るとおりだと思います。