2021年2月4日木曜日

春一番の予感

 島国であることを卑下する人もいるが、島国故の利点もあると思わざるを得ない。古来から大陸の超大国に目はつけられていたろうが、征服されずに済んでいること、極端に言えば全世界を敵に戦争して負けながら、形としては独立を守り、どの国の属国にもならずに済んでいることがある。後者については敢えて形としてと書いた通り、反論があるかもしれぬが今回はご容赦願おう。他にはパンデミックの被害が大陸に存在する国に比べればやや少ないこと。これもイギリスはどうだ、との反論が来そうだがこれも勘弁願いたい。

島国故の独特の文化が発達したのも事実だと思うが、一方で大陸諸国では自然に根付いた文化がこちらになかなか定着しにくいこともある。その一つが日本型民主政治だ。これを小沢一郎氏は次のように断じている。「政治家が欧米のデモクラシーを受験用の知識でしか理解していない。国民主権を国民に代わって実現すべき国会議員のほとんどが、真実の意味や厳しさを知っていない。」言われてみると確かにそうかも知れない。外国人が増えた増えたと言ったところでたったの100万人強。全てが日本国籍を持っているわけではない。

学生時代と言うより社会に出ても、世界には多民族国家なる国が幾つかあって、代表格がブラジルだとばかり思っていた。最近になってやっと民族ルーツの構成が単純である国の方が圧倒的に少ないことが分かってきた。それ故だと思うが、日本は言わず語らずに済む事柄が多くあり、欧米人が夫婦間で「私はあなたを愛してます」と毎日言い合うなんてことは全く理解できなくて当たり前となっている。一方で日本で強調される複眼的思考なんてことは欧米では当たり前すぎるのかもしれぬ。

ノーベル賞を受賞された山中伸弥博士が言うコロナウィルスに強いファクターXは未だ結論は出てないが、日本ならではと言うことがあるのは事実だろう。書きたかった政治問題から話が逸れてしまった。現在日本の政治は久ぶりに相当な混乱期に突入しているように思う。政権与党が失点を重ねてはいるが、諸外国のような社会混乱は起きていない。圧倒的多数の国民はそれでも己の分を弁えて千人に一人か万人に一人かの政治部落の種族の言いつけを守っている。

しかしこれも時間の問題で、今中途半端な態度を取り続けている大手マスコミが政権批判を徐々にするようになると思う。何故ならば、政権内部にも政権批判に回る人種が出始めたからだ。今週テレビ出演した塩崎恭久氏なんかかなりはっきりと言っていたが、これは冷や飯食いの恨み節だとしても、派閥のトップの細田氏や経済財政諮問会議メンバーの新浪剛史氏なんかが公然と政府のコロナ対策に文句を言い始めた。

一方では頼りない野党でも立憲民主党で分裂騒ぎが発生したようだ。音頭を取っているのが旧田中派の老人中村喜四郎氏、面白いのが若手の小川淳也氏あたりが同調しているとのこと。外で春一番が吹くように、何かが起きる事が起きることを期待している野次馬老人だ。

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