2021年2月10日水曜日

道化師

 自分としては毎日真面目な気持ちで書いているが、たまたま読んだ人からすれば公衆便所の落書きと同じと取られても仕方ない。いわば無責任な立場にいることだけは間違いない。しかし同じ隠居同然であっても、公的な立場にいる人はそうはいかない。ましてオリンピック組織委員会々長森喜朗氏(元首相)ともなるとますますのことだ。開催すら危ぶまれるオリンピック、少し飛躍するが先の日米首脳会談で、菅首相は「オリンピックは話題にならなかった。」としてるが、バイデン大統領は「科学に基づいて判断すべきである。」と言ったとしている。(どちらかが嘘を言っている)それはさておき、組織委員会とはそもそもどんな組織なんだろうと疑問が湧いた。

ネットで検索して驚いた。公益財団法人とのことで、国家に認定されているのは確かだが、ひょっとして国家以上の存在であっても不思議が無い。残念ながら我が国には、既に日米委員会なる国家(或いは憲法)以上の存在があることが知られている。これと似ているかもしれぬ。その目的が公表されているので一分を引用する。

「・・・東京2020大会の成功に向けて、組織委員会は、日本オリンピック委員会(JOC)、日本障がい者スポーツ協会、日本パラリンピック委員会(JPC)、東京都、政府、経済界、その他関係団体と共にオールジャパン体制の中心となり、大会の準備及び運営に関する事業を行います。」

国(政府)も主催者である東京都もオリンピック開催に向けた正式な準備事務局は設置されていると思うが、それを纏めて全日本の中心となると謳っている。違和感を覚えない方が不思議だ。当然政府にはオリンピック担当大臣まで存在するが、組織委員会からすれば格下にあるのは仕方ない。担当相は元オリンピック選手でしかも女性の橋本聖子氏。橋本氏が上司に当たる森氏の発言にどんなに反感を覚えようと異は唱えられないだろう。

都知事や首相でさえ、元首相に文句つけられないような仕組みが最初からできてしまっている。これは悲劇というよりむしろ喜劇に近い。我が国は昔からかどうか知らぬが、組織を動かす権力者の上に見掛け上の権力者を置いて、なにかやばい事態に陥った時に、責任をそこに責任を押し付けてしまうことがある。しかし今回は少し異なり、組織そのものが多重構造化しているので余計たちが悪い。即ち全組織が無責任、船頭多くして船が山に登った典型と言える。

組織委員会そのものは森氏の側から仕掛けたことだろう。森氏にどんな思い入れがあったか知らぬが、天皇気取りが公家政府を作り、幕府を乗っ取ったようなものだ。本人の気持ちは分からないが、ドン・キホーテか年老いた道化師を見る思いだ。騒動が拡大しているので何れ辞めざるを得ないだろうが、辞めても後を継ぐ者もいない。混乱だけが深まり、これがきっかけでIOCが大会中止を一日でも早く出してくれれば、それだけ日本の財政的被害が圧縮される筈だ。

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