2020年12月9日水曜日

自衛隊の医療支援

 中国かぶれしているみたいで気が引けるが、昨夜から報道されている自衛隊の医療部隊派遣報道には些か、否大いに失望を禁じえない。今朝の段階では大阪市への派遣の詳細は分かっていないので北海道旭川市への派遣報道だけで書いている。防衛大臣が態々テレビカメラの前で発表した内容だ。しかも日曜日だったか一昨日の月曜かは忘れたが、菅首相自ら大阪や旭川の医療崩壊の実態は分かっているとして「自治体からの要請があればすぐに自衛隊を派遣する準備は整っている。」と断言したことも記憶にある。

どれもこれもふざけた話だ。実態について首相まで報告が上がっているなら「自治体からの要請があれば」は余計だろう。実際旭川市の病院からは、既に先週市に対して自衛隊の派遣要請をしたものの道段階の判断で一度断られている。事程左様に政府の発表は、実態とかけ離れたものが多すぎる。自衛隊の医療人材には余裕が乏しいなら、そうとはっきり言うべきだ。だから派遣される自衛隊員だって気の毒だし、要請した方だって「そうか、ならば他の方策を考えなきゃいかんな。」となるではないか。

出来もしないことを出来ると言うことほど罪は重い。政府が頼りにしてきた分科会長の尾身会長が日曜日のNHK日曜討論に出演して次のように言い放ったそうだ。日刊ゲンダイからの引用である。「実は日本がしのいできた理由のひとつに、クラスターを早く見つけて感染源を(特定した)ということがあるんですけど、もう保健所が疲弊して、クラスターの感染源を見つけるという方法が取れなくなっている。」即ち日本が感染拡大を阻止してきた切り札である「クラスター対策」を、もう使えなくなった――と白状したのだ。要するに「敗北宣言」である。この発言には、出演していたコロナ担当の西村経済再生相もビックリしたのか、こわばった表情を隠さなかった。引用終わり。

重傷者や死者の数が少ないと高をくくってきた罰が当たったかどうかは措いても、東大の児玉龍彦氏が7月の半ばに参議院で参考人として述べた時の資料をデスクトップに置いてあるが、だんだんそれが本当になってきた。学術会議に年間10億円の政府支出ケチる自民党のことだ。経済活動の下振れをなんとか抑えたいつもりらしいが、打ち出した政策もご粗末で経済的にも悲惨な状況は深まるばかり。自民党幹部までがバカにしている中国は経済活動もだいぶ回復して、少なくとも今年度もプラス成長になるらしい。彼らが初動で何をしたか、上海から武漢に送り込まれた医療チームの女性医師の記録は共産党の宣伝にしても感動的だ。(11月24日の読後感を是非参照願いたい)

重傷者数と死亡者数は児玉氏の言うとおりになってきた。地獄を見るまで気が付かないのはアホと言うほかない。

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