2020年11月12日木曜日

アメリカの民主主義

 子供の頃から人間社会で重要なことは「民主主義」で手本はアメリカにあり。と教わってきたので、そんなものかと深く考えてみたこともなかった。しかし今回のアメリカ大統領選で、民主主義の根幹とされる選挙がうまく機能しない実態が露呈している。大統領選の仕組みについては未だ十分理解できていると言い難いが、新たに分かったことが幾つかある。

一つは投票権のこと。一定以上の年齢に達した普通の市民には公平に選挙権が付与されるようだが、どうも申告する必要があるようだ。区役所から自動的に投票用紙が送られてくる日本の方が余程民主的だ。続いては予備選挙と言われる政党ごとの選挙があること。被選挙人は相当数出馬するが、ここで各政党で大統領と副大統領のセット一組に絞られる。

そこから再度投票が行われるが、これが今最終集計段階に入った11月3日の投票らしい。郵便投票については省略するが、ここで選ばれるのが政党ごとの選挙人で、投票数で勝った政党が選挙人を総取りする。このことは大体理解できたつもりでいたが、先週アメリカ在住が長かった友人が教えてくれたのは「選挙人の選び方が全くブラックボックス」だそうだ。

そして各州に割り当てられているこの選挙人であるが、この数がまた民主主義の原則から程遠く、州によって1票の格差が5倍近くにもなるらしい。日本だったらそれこそ裁判沙汰の大騒ぎで、区割り州ごとだからの変更が難しい。では、選挙人の数を変更となれば、都市部を制する政党が永遠に勝ち続けるなんて不都合が出かねない。だから選挙人の数は200年くらい前に憲法で決めたままになっているとのこと。

日本の憲法が70年以上も前のまま使われていることをアメリカ人は不思議がると言うが、「で、そちらはどうなの?」と聞いてみたくもなる。選挙運動の有り様も、なにかやりたい放題に見える。運動期間や時間は言うに及ばず、戸別訪問に選挙妨害。一番驚いたのが金の掛け方、使い方。買収も有りかどうか分からぬが、テレビで相手の誹謗中傷ネガティブキャンペーンなんてのが公然化しているようだ。仮に公職選挙法的な法律があるにしても、日本のそれとは比較にならない程ゆるいのかもしれぬ。

金曜資本をバックにつけている民主党バイデン陣営が今回の選挙でテレビコマーシャルに投じた金額が1000億円以上と聞く。陣営と言っても使っているのはバイデン氏の一組だけだ。日本の広告会社も仕事を貰いに行きたいだろうが、電通や博報堂でもそこまで手は回らないようだ。

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