2020年9月23日水曜日

アメリカ大統領選挙

アメリカのトランプ大統領がユニークな性格であることについては、多くの人が賛同してくれるだろう。彼は昨日行われた国連総会の一般討論演説で「私は過去の誤ったアプローチをやめ、『アメリカ第一主義』を貫いている。皆さんが自分の国を第一に考えるのと同じようにだ。あなたたちもそうすべきだ。」と暗に国連の存在を否定するような発言をした上に、コロナウィルスに関して中国を名指しで「責任を取らせる」と激しく非難している。

名指しされた習近平氏の演説は事前の収録だったため反論はしていないが、新型コロナウイルスを巡り中国とWHO=世界保健機関への非難を強めるアメリカを念頭に「新型コロナウイルスに直面する私たちは団結を強め、WHOに指導的な役割を十分に発揮させるべきで、ウイルスを政治問題化し、汚名を着せることに反対する」と述べている。

国連は昨日も書いた通り、第2次世界大戦の戦勝国連合で、世界平和のために各国が協力協調を図る場のはず。場違いと言えばこれほど場違いな発言はあるまい。アメリカ人が全員狂っているとは思えないが、兎に角現大統領は異常だ。彼に異常ぶりは全て再来月11月3日に迫った大統領選に勝つための言動に他ならない。この選挙は直接選挙と言われもするが、実際は間接選挙で、有権者は11月3日に居住する州の共和党・民主党の選挙人団 (Electoral College) の何れかに票を投じる仕掛けのようだ。

この先の手順は少し分かりにくいが、ざっくり言えば票数が多かった政党が最終的に選挙人3人を総取りする仕組みになっている。よく言われる4年前の選挙でヒラリー・クリントンの得票数が多かったのにトランプ氏が勝ったのは、この仕組のせいであるらしい。そのことはさて措き、ここにもう一つ複雑な要素が絡んでいる。日本でも度々報道されている事前投票の郵便投票だ。これは既に投票が始まっているらしい。

ところが、これを利用する人は比較的低所得層の民主党支持者に多いと言われ、トランプ氏は当初これを廃止すべきだなんて事も言っていたくらいだ。しかし実際に投票は始まっている。しかしここからがギャングの国アメリカの真骨頂、郵便はアメリカ合衆国郵便公社なる役所が扱っているが、この最高責任者は大統領によって任命された人物。彼が大統領の意向を忖度したかどうか知らぬが、様々な画策をしているのが事実らしい。

例えば、低所得層居住地域の郵便ポストを撤去するとか、最終的には集計作業を遅らせるとかいろんな事があるらしい。民主党側は「11月3日トランプ氏が勝利宣言をしても、郵便投票結果で当選はひっくり返る。」なんて言う向きもあり、両候補が勝利宣言をするなんて事態も起こりうるらしい。他国とは言え、アメリカは我が日本の宗主国同様の存在故、大いに気になるところでもある。 

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