2020年8月18日火曜日

熱帯夜の夢

 将来のことは分かりにくいとしたことなのに、何故か来年の景気が悪くなりそうなことだけは妙にはっきりしてきた感がある。現役で働いている人の中で給料生活者の割合がどのくらいか知らぬが、相当な割合であることは確かだろう。その多くの給料生活者が、来年まで勤務先があるかどうか心配しないまでも、来年の給料が上がりそうにないことは薄々感じているだろう。先週だったか、友人から東芝が東証1部から2部に落とされていることを聞いてびっくりしたが、東芝に勤務していた岳父が存命だったら何と言っただろう。

岳父は「東芝が潰れる時は日本が潰れる時だ。」が口癖だった。従弟も元東芝社員だし友人にも元東芝社員が数人いるが、皆優秀な人ばかりだ。駄目な人間が揃っていたなら分かるが、優秀な人間の集まりでもおかしくなる時はおかしくなるのが世の定めなのか。正に「平家物語」の祇園精舎の鐘の声が頭の中で響き渡る。2部に降格しても潰れたわけではないから日本は潰れないだろうが、日本社会の屋台骨が揺らぎ始めたことは間違いなさそうだ。

問題は来年以降、混乱が何年に亘るか想像がつかないが、これを誰がどのように立て直していくことになるかだ。力を発揮するのは現在30歳そこそこの若い人たちであってほしいし、そうならざるを得ないだろう。日本社会と言っても漠然としてるが、やはり根本は政治の有り様だろう。来年以降日本社会が混乱することを想定して考えると、政治が相当変わる必要がありそうだ。憲法が変わる必要があるかどうかは別だが、兎も角大幅に何かが変わってほしい。

極端に言えば今の政治家が総入れ替えになってほしいくらいだが、そうは行かないだろう。重要なのはやはりリーダーで、心身共に健全な人間がその任に当たらねばならない。それとこればかりは若い人間というわけには行かない。心身共に健全、且つ豊富な経験を有する人間がいるかどうか。1億人以上もいるのだから1人くらいはどこかに居るだろう。真夏が過ぎ、秋に入ったのに真夏の夜の夢物語だ。

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