2020年6月26日金曜日

民主的コントロール

新型コロナウィルス関連報道一色の中で唐突だったように思えるが、3月に広島地方検察局に依る昨年7月の参議院選の選挙違反容疑で、河井案里氏秘書の逮捕に端を発してスピード裁判で有罪が確定。更にこれが飛び火して東京地検特捜部に依る夫の河井克行元法相夫妻の逮捕までに繋がっている。この一連の動きをマスコミも我々庶民も「検察よくやった!」と半ば称賛の思いで見守っている。

しかも、今朝の中国新聞(広島県の最有力地方紙)によれば、河井案里氏から現金を受け取った案里氏の後援会長であった広島県府中町の町会議員が、「安倍さんから」と言われて受け取ったと証言、との記事が掲載された。これが夫妻の裁判にどんな影響を持つかは知らぬが、安倍政権にとって打撃であろうことは想像に難くない。益々検察を応援する人が増えることだろう。

この政権と検察の争いの構図、今の段階で一見すると正邪の争いに見えなくもないが、双方の関係を知る人に言わせるとそう単純なものではないようだ。検察の側にも政権側にも民主主義社会の望ましい姿からすると問題が山程あり、しかも双方がこれまで馴れ合ってきた事実がある。ただ政権側がその馴れ合いに乗じて検察組織をまるごと取り込み、安易に用心棒としようとしたところに問題があって、検察側が反発しているだけだそうだ。

この事件が今後どのように展開してどのような結末に至るかは分からないにしても、今後大切なことは「問題だらけの検察と問題だらけの政権の、馴れ合いからの離別」にあるとのこと。政権の問題は識者に教えてもらうまでもなく分かるが、検察の問題とは何かである。だらけと言うほどだから沢山あるようだが、端的には「検察の独善」いわば組織の論理かもしれぬ。もう一つ上げるとすれば「人質司法」と言われる捜査手法を上げている。

因みにこのブログは、下記に示すジャーナリストの青木理氏と元検察官で現在弁護士の郷原信郎氏の対談をベースに書いている。
https://www.youtube.com/watch?v=LC1m496RoK0

お二人は政権にせよ検察にせよ、あらゆる組織には民主的コントロールが必要であることを強調されているが、中でも重要なことは、これを担保するためには、どうしても健全なマスコミの存在が必要であるが・・・・と言い、そのことについては別に述べるとして終わっている。

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