2020年5月10日日曜日

「母の日」他1件

「母の日」

「母の日」とのことだが<墓に着物は着せられず>の喩えどおりで、後悔ばかりが思い浮かぶが、やはり母は優しかった。男子5人と両親の7人、完全な男所帯でだから嫌でも働き者にならざるを得ない。炊事に洗濯だけでも相当な量のはず。父が出征して帰国するまでの5年間の苦労は日本人とすれば人並かも知れないが、子供心に大変だと思った。野菜や米を親戚から分けてもらうために、交換用の着物をリュックに詰め、1時間ほど汽車に乗ってから田舎道を母子共にちびた下駄を履いてトボトボ歩いたことや、家の裏に作った麦畑に肥料として撒くため、便所の汲み取り口から長柄の柄杓で、人糞を救う姿を今でも思い出す。

一方で内に秘めた教養を誇り高く思っていた母。オヤジはいつも小馬鹿にしたようなことを言って、母のプライドを損ねようとしていたが、柳に風と受け流し、社会通念では母に叶わず、人との付き合い方について結局母の指導に従っていたように思う。オヤジが役人だったので、元日には役所の人たちが朝から夕方までひっきりなしだったが、母の人気は高かった。字や文章が達者で、これもオヤジは嫌がったが熨斗袋の表書きは母がいつもサラサラと書いていた。オヤジは葉書、母からはいつも手紙で便箋5枚位が平均だった。昔からこの類を保存するする習慣が無かったので、今残っている手紙が殆ど無いのも悔やまれる。

閑話休題:一昨日、朝日新聞デジタルで読んだ記事の件。

古い話なので記憶されてる人も少ないかも知れぬ。タイトルは「三菱電機へのサイバー攻撃」サブタイトルに<VPN装置にハッキングか>とあるが、VPN装置とは何かがわからない。記事を読み進めると「不正アクセスの起点が「仮想プライベートネットワーク(VPN)」と呼ばれる通信機器へのハッキング」と書いてある。三菱電機は大企業で企業秘密も多いだろうからかなり以前から社内のインターネット通信に関して、前述のVPNを構築してセキュリティ確保に意を用いていた。

当然ながらこのシステムを管理する優秀なエンジニア・スタッフも万全を期していた筈だ。ところが、公表された内容でも詳細は明らかにされていないが、当初上海支社のPC端末にハッカーからウィルス攻撃を仕掛けられ、重要なドキュメントが多数コピー流出した可能性が否定できないとのこと。発表は今年の1月になってからであったが、その後の追跡検討で少なくても10年以上前から行われていた可能性を否定できないらしい。

ハッカーの存在を事前に承知して十分防御していいる専門分野の大企業にしてさえ、やられてしまう。ましてや、ド素人の政治家がオンライン〇〇を軽々しく口にする昨今の風潮、最近では外国の真似をして行動履歴を政府が管理するサーバーで一元管理をしてコロナ感染者との接近具合を「見える化」なんて言い出している。その際言わなきゃ良いのに「個人情報漏洩に十分配慮して」なんて聞くと、思わず笑いたくなってしまう。

3 件のコメント:

村松 光 さんのコメント...

伯母様には本当に可愛がっていただきました。今でも思い出すと
懐かしいです。女子大を卒業されお嬢様のままお嫁に行かれて、それから
先のご苦労はせんかわさんのおっしゃる通りでした。でも誇り高く生きて
いらしたことは自慢の伯母様です。

senkawa爺 さんのコメント...

村松光さん
いつもありがとうございます。
そう言って頂けると母も草葉の陰で喜んでいいると思います。

匿名 さんのコメント...

誇り高い人でありながらも驕ることはなく、チャーミングでみんなに好かれる人でしたね。私の知らない祖父母の話や父の話、色々思いながら拝読しております。