2020年3月5日木曜日

IT技術革新

歳を重ねると好奇心は薄れ、動作は緩慢即ち遅くなるとしたもので、その例に洩れないのは当然のこと。これでも若い頃は人並みの好奇心を持ち、新しい物、即ちスピードのある乗り物、効率の良い機械にが欲しかった時代もある。最たるものが自動車だっただろう。大学生時代、実家の兄から中古のプリンスを購入したと聞いて、胸がときめき夏休みの来るのが待ち遠しかった記憶がある。就職したのは広告会社の営業だったが、二つか三つのグループに別れ、各グループに曲りなりながら自動車が割り当てられていた。新人がハンドルを握るのはガソリンスタンドに行って給油と洗車をする時くらいだった。

それから20年も経った頃には会社の車も随分立派になり、こちらもそれなりに昇進していたので、会社の車を自家用車代わりに使えるようになっていた。更に5年経った時、不幸にも急に思い立って会社を辞めてしまった。同時に車との縁が切れた。次の就職先でごくたまに運転を命じられることもあったが、50歳になる頃は車への興味が全く無くなってしまった。

次に出現した機械の代表は携帯電話、ワープロ、プリンター、パソコンの順かもしれぬ。これは個人的記憶で書いているので、必ずしも世の中動きと一致はしないだろう。兎も角それぞれを個人的に持つようにはなったものの、これらの機械は自動車に比べると進化のスピードが桁違いに早く、購入して1年はおろか数ヶ月単位で新機種が出現して、利用方法、使い勝手が猛烈な勢いで変わり、社会に大きな変革を齎した。

その変化に何とかついていこうと頑張れたのはどうだろう?最初の会社を辞めたのが47歳の時だから、精々その後10年かおまけしても13年60歳くらいまでの筈だ。社会の変化についていけなくなった事に徐々に気づき始めてから、技術革新に関する興味も段々と薄れてしまった。ところが昨今の報道で中国や韓国や台湾などのコビット19対策に関するビッグデータ利用やAI利用の実態を垣間見るようになると、この方面における日本の遅れが目を覆うばかりだ。1年前に偶々中国四川省の成都で宿泊した時、現実を目の当たりにしてびっくりしたが、その進歩は益々加速しているようだ。

日本では、民間の経営者では堀江貴文氏、楽天の三木谷浩史氏、ヤフーの孫正義氏、自民党で平井たくや氏や平将明氏がそっち方面の一人者としてよく登場してくるが、果たしてこういった方々で日本のIT戦略が的確に構築できるのだろうかと疑問を持たざるを得ない。政治は実績と言うならば、日本のそれは既にアメリカやイスラエルは知らぬがアジアの国々でも周回遅れになっている可能性が高い。スピードと効率には無縁ではあるが、若い人たちが可哀そうだ。

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