2020年3月3日火曜日

組織の思考硬直

浪費癖のあるバカ亭主のために家内が密かに準備していたのであろう、ささやかな株を残してくれた。これを今でも持っている。このところ証券会社から何も言ってこないので値下がりしているのは容易に想像できる。しかし株の値下がりに文句をつけるほどの立場でないことも十分承知しているつもり。今問題はコロナ対策であり、経済基盤全体の地盤沈下の下支えの筈。

ところが昨日の朝に突如日銀総裁が談話「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れを通じて潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努める」を発表して胸を張っている。難しいことは分からないが、なんでも5千億円以上の対策費をいわゆる市場に投入するとのこと。この発表に株式市場が敏感に反応したのは言うまでもない。

経済対策には諸々あって、アメリカに準じて同様の政策を取るのは責められるべきことでは無いかもしれぬ。しかし先週末に政府から打ち出された新型コロナウィルス対策の費用は半分以下の2700億円だ。比較するのが妥当かどうかも、対比してことの善悪を判断するほどの知識は持ち合わせない。ただ昨日の参議院予算委員会で質問した国民民主党の足立信也氏の言葉が印象的だ「首相はパニックになっているのではないか?」

首相にせよ日銀総裁にせよパニクるほどウブではあるまい。しかし、日銀の判断や政府の判断を総合的俯瞰的に見ろ時、なんかチグハグでしっくりこない。トップの総合的決断力欠如と切り捨てるのは簡単だが、愚考するに日本の行政組織が余りにも硬直化しているところに問題がありはしないか。

足立信也氏は元々医者(専門は外科のよう)で、民主党政権時代に厚労省政務官を努め、今話題の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の取り纏めに尽力されたとのこと。<話題の>と書いても知らぬ方が多いと思う。要は当時流行した新型インフルエンザへの対処を定めた立法であるが、これを適用すれば政府が先週発表した基本方針よりはるかに適切な措置を講ずることが可能とテレビでは出演する専門家の殆どが指摘している。

ところが、政府は民主党政権時代の法律なんか頼ってたまるか、で新たな立法をと力んでいる訳。そして国民に対し冷静にとかなんとか言っているが、実際になす事の全てが後手後手に回っているのはご承知の通り。全く笑い話のようだが、先月NHKが放送した226事件に関連した「海軍の秘密記録」を思い出した。国家の一大事に協力すべき間柄でありながら、実態的には組織の論理が優先され、肝心な時に協力どころか敵対関係に至った経緯が詳細に残されていた。今日、与野党協力なんか望むべくもない。

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