フランス・G7考

今回のビアリッツ・サミット、主要7ヶ国首脳による会議とばかり思っていたが、案に相違して随分多数の国家主席が招待されたようだ。詳しくは紹介されていないので定かではないが、インドとかエジプト等アフリカ諸国が招待されたようだ。但し、日本はこのアフリカ諸国との会議をアメリカと欠席して、日米間の貿易交渉をして、例の余剰飼料用とうもろこし爆買を決めたらしい。嘗て日本はアフリカ諸国の振興に協力していくことを宣伝していたように記憶するが、G7での会議欠席の意味が全くわからない。

それは措いて、主催国フランスのマックロン大統領という方もかなりやってくれたものだと改めて感心してしまった。そもそも開催前から共同宣言は発出しないといいう報道が大々的に流され、事実そのような結果にはなっている。そして日本の報道は絵に描いたようなステレオタイプ「主要国結束の乱れ」と報じている。

確かにそれは事実かもしれぬが、現状の世界を見て先進国の中で結束が硬いのは日本とアメリカぐらいのものだ。共通の通貨や法律で縛っているEU28ヵ国でさえどこまで結束が出来ているかは分かったものでない。経済的には世界自由貿易とかグローバリズムといった単語を屡々見聞きしてもそれがどんな意味を成すのか不肖の身には定かではない。先の大阪G20の共同宣言でも、主催国首相安倍晋三氏が最終日にそのようなことを高らかに謳い上げたその直後に、日本が対韓輸出規制強化を宣言するなんてまるでブラックジョークにしか思えない。

ましてトランプ氏が出席している会議で先進7ヶ国首脳が経済的要因で結束できることが無いのははなから分かりきっているので「共同宣言は出しません」と割り切ったのは一つの見識だろう。ではこの週末からの3日間がまるきり無駄だったか、と言えばそうでない気がする。新聞も見出しだけ、テレビも頭だけしか観ないので飽くまで感覚的なものだが。イランと米国の間を取り持つことに成功したのは会議の席上ではなくトランプ氏とサシの話し合いだなので、マクロン氏が会議を私物化していると悪く言う向きもある。

たしかに従来の定石常識から言えばマクロン氏はG7なる会議を無視したきらいは否めない。しかし世界平和や安定への貢献と言う意味において大きな足跡を残し、今後のG7に対して新たな道筋をつけたように思う。それが何より証拠には、当初会議の意味に大きな疑問を呈していたアメリカのトランプ氏が次期主催国代表としてやる気を見せ始めていることにも現れている。

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