2019年4月16日火曜日

信念の有無

政府高官と称する閣僚が北京やワシントンで日中ハイレベル経済対話とか日米通商協議と仰々しいお題目が付いた会議に出席して、中国や米国との間で国益に沿った成果を上げてとか上げるであろうとかの報道がなされている。詳しく読むまでもなく、どちらも大国の都合を厳しく突き付けられ、曖昧な返事でお茶を濁すのに必死になっているだけに過ぎぬない。マスコミは正直に報道すればいいのに、日本閣僚の「○○で同意した」だの「意見が一致した」の発表をそのまま垂れ流している。

米中が経済的にも政治的にも厳しい緊張関係にあり、特に中国側はアメリカの独善的姿勢に反発して、交渉する姿勢は維持しながらも独自の経済発展構想を実現すべく必死になっていることは疑いようもない。その間に存在する日本は自ら進むべき道を選ぶ努力もしないで、その場凌ぎで両方の国と良いとこ取りをして甘い汁を吸おうと思うのか?そんな誤魔化しは決して通用する筈がない。諸般の事情有之、何でもアメリカの意通りにしなければならない、ならそれでも良い。中国にはっきり言えばいいだけのことだ。

それもできずに、通信機器問題の「なぜ日本政府はファーウェイを排除するのか」に対し「日本政府は特定の中国企業名を念頭に置いているわけではない」と相変わらず質問をそらす朝ごはん回答をしている。居並ぶ日本ハイレベルのお歴々は中国側と比較するとまるで子供っぽい。しかし国際会議であるから肩書は同等になっている筈。姿かたちは民族固有のものだからどうしようもないが、話す内容はもっと堂々とした腹の据わったものであってほしい。

人は二か所同時に立つことは出来ない事ぐらい分からないのだろうか?一方に依れば一方から嫌われる。個人的にはアメリカべったりが良いとは思わないが、閣僚が信念以てそうであるなら良いではないか、ファーウェイについて懸念を表明すべきだ。国際交渉は信念を持った姿勢で取り組むないと、どちらからも馬鹿にされる。メディアにも責任があるかもしれぬが、誰と話しても意見が一致をした、とヘラヘラ笑うばかりの政府高官を見せられてばかりいると本当に情けなくなる。

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