2018年12月11日火曜日

憧れが灰色に

子供の頃から先進国と言えば西洋、ヨーロッパの国々が日本のお手本であったと承知していた。自分も一度は行ってみたいと憧れを持っていたがその夢は果たせず遂に今日に至った。半世紀以上になるが、その間に西洋事情は欧米事情となり今や欧州以前に米国が来て、アメリカの方が文明先進国と錯覚している人の方が多いだろう。これは言うまでもないだろうがメディアの問題が大きく関わっている。新聞からラジオそして映画がやってきてテレビの情報がそれを遥かに凌駕して現在に至っている。これが今ネット情報に代わる訳だが、とどうなるかが分からない。

小学校に上がって文字が読めるようになった頃、我が家には子供向けの本は1冊もなかったが、友人の家に行くと戦前発行された講談社の絵本が置いてある家が多かった。それで触発されたせいもあろうが、外国のお話はアンデルセンにせよイソップにせよヨーロッパ発の物語かアラビアンナイトのように今風に言えば中東のお話。アメリカ発はトムソーヤの冒険くらいだったと思う。子供だからドイツもイタリアもフランスもスイスもポーランドもどこにあるか、どのくらいの大きさかなんか想像がつくはずがない。ひょっとしたらアメリカもそのうちの一つ思っていたかもしれない。

いい加減な知識の事など関係無いが、その憧れのヨーロッパが今とんでもない混乱状態に陥っているようだ。20数か国が欧州連合として纏まった時は流石文明先進国と感心したし憧れも一層強まった。今やその連合もある意味では崩壊しかかっているのではなかろうか?所謂EU(欧州連合)から幾つかの国が分離するだけならまだしも、イギリスのように分離ししたくても分離できるのかどうか、仮にできても一つの国として纏まっていけるのかさえ分からないようだ。

もちろん遠い国々のことでもあり、知見も乏しいので正確な事情は知りようもないが、イタリアにせよスペインにせよフランスもドイツも文明先進国で民主主義のお手本のように思っていた国がとんでもない混乱状態にあるように見える。これで欧州連合が空中分解でもしたらどうなるのだろう?国と国の戦争にはならないだろうが、それぞれの国内がどう鎮まっていくのか、他国のことながら憧れがあった国々だけに心配でもある。

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