2018年9月2日日曜日

夏休みの感想文か?

区立の小中学校の生徒にとっては夏休みの最終日。し残した宿題をするにはもってこいの雨降りでしかも涼しい。お彼岸までは暑さから完全には解放されぬだろうが、何れにせよもう暫くのことだ。ここ3か月ほどの間、下らぬと言うのも変だが映画や小説で不思議とアメリカ西部に縁があった。もう小学校の頃から祖母のお陰で西部劇に馴染んできたので、荒涼たるアメリカ西部のイメージは持っているものの、これは日本のチャンバラと同じで19世紀までのこと。

現在は日本と同じで、上州から流れてきた侠客・国定忠治もいなければ信州権堂町の悪漢・山形屋藤造なんて連中は存在せず、江戸と大差のない市民生活が展開している。と確信していたが、米国の場合は案外そうとばかり言えないのかもしれない。映画も小説(特に犯罪小説の類)はフィクションだからどこまで勝手にイメージしていいか分からないが、彼の国のネイティブアメリカンは北海道のアイヌの末裔とは異なり大分特殊な扱いを受けているとは聞いている。

従って現在でも西部劇の舞台がそのまま残り、シネマスコープ以前のモノクロ映画で観たようなストーリーが生み出されるみたいだ。感想とも言えぬが、この夏読んだ本2冊と映画1本を上げたい。「フリーファイア」C.J.ボックス著・野口百合子訳 「オンブレ」エルモア・レナード著 村上春樹訳 「ウインド・リバー」テイラー・シェリダン監督・脚本

本の「フリーファイア」と映画「ウインド・リバー」は共にオクラホマ州が主な舞台、今年最高値の買い物だった地図帳が大分役に立った。オクラホマ州はモノクロテレビ番組「ララミー牧場」の舞台になった州で昔からカウボーイが活躍した場所らしいが、ジープやスノウモビルが活躍する現在でも司法制度は町に保安官が二、三人の時代と大差ないような場所があるようだ。「オンブレ」は1884年(明治18年)アリゾナ州の設定なので完全な西部劇。

但しテーマはアパッチ族と白人の間に生まれた主人公と西部に進出してきた白人との葛藤だから、現代に通じる問題を提起しているのだろう。ノーベル賞候補の作家が訳しているので食指が動いた。何れにせよ、小中学生時代のように胸躍らせて楽しむ一方、数回旅行しただけでは全く理解できないアメリカなる国の複雑さを改めて痛感した。

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