2017年8月31日木曜日

一服の清涼剤

今朝のテレビで、ジャズトランぺッターの日野皓正氏絡みで非日常的映像が流れた。今月20日、東京都世田谷区教育委員会主催のワークショップ的なイベントの仕上げコンサート最中のことである。大編制での演奏中に、突然日野氏がステージ前面から割り込んで最上段でドラムを演奏していた男子中学生A君に近づき、スティックを取り上げて放り投げ「帰れ!」と叫んだようだ。ところがA君、手でドラムを打ち続ける。

日野氏は頭に来たのだろう、A君の髪をつかんで揺さぶり、挙句に顔に往復ビンタを加える映像が流れた。周辺の状況を含めもう少し後までフォローして、丁寧に映像を組み立ててほしいが、ここまでで終わり、しかもボカシが入っている。今日発売の「週刊新潮」と「週刊文春」が取り上げたのでテレビネタになったらしい。食事のあとで新聞を見ると、新聞でも取り上げられている。

戦争に巻き込まれかねない暗いニュースばかりが大きく取り上げられ、些かうんざりしていたので、我が家では一服の清涼剤に近い話題、お笑いのネタになった。婆さんは少し音楽について関心もあるが、こちらの系統は音楽芸能やスポーツとは全く無縁。日野皓正氏が世界に通用するジャズトランぺッターであることは何となく知ってはいるが、その有難みは全く分からない。演奏を生で聴けても猫に小判の世界である。

日野氏は既に海外に行ってしまったので、どの報道にもコメントは見つからないが、顔を張られたA君のコメントが父親が語った形で報道されている。「悪かったのは私で、日野さんには感謝している。毎年行われているこの合宿は来年以降も続けてほしい。」との要旨になっている。日野氏のコメントがないので傍証にすぎぬが、なんでも日野氏はA君の才能を特に認め、熱心に指導していたとのことだ。

その辺のことはどうでもいいが、芸能やスポーツの英才教育には付きものの熱血教師と生徒の話である。最近は体罰を受けた側が怪我をして、親がそれを訴えたとの報道が多い。こう言っては申し訳ないが、指導者の側も世界で一流となれば並みの感覚である筈がない。日野氏のコメントを無能の凡俗が聞いても意味が無い。英才教育にスパルタ式は付きものだろう。身障者の児童を炎天下で走らせて死なせたのとは訳が違う。

今回は実際にA君がどう受け止めたかは別にして、親が承知で預けた以上、A君の父親のコメントはすっきりするし、ぼやけた映像で見たA君の根性にも拍手を送りたい。

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