経済政策論議を聞いて

数日前に元衆議院議長伊吹文明氏が出演したテレビ番組を観て思った。タイトルは詳しくは記憶していないが、「トランプ次期大統領と日本経済」みたいもので、他に経済学者の浜矩子氏と経済アナリスト(証券会社系だったようだが名前は失念)が同席していた。伊吹氏は元大蔵官僚でもあり、財務相経験もあるので経済には強いとしたものだろう。そして自民党内では大長老のはずである。さぞかし政権寄り発言に終始するだろうと思っていたが、少し意外だったのは「日本経済は国内の労働生産性がここまで下がってしまった以上、何をしても国内の経済は良くなろう筈がない。企業が安い労働力を求めて海外に進出するのは理の当然。経済指標は為替レートの変動のみに左右され成長するのしないのと騒いでいる。」と断言した。

党内においては現総理より遥かに格上であろうから別に驚くには当たらないことかもしれぬが、どうも言外には、3本の矢で成長、成長と叫ぶのは些か無理だろう、と言っていたようにも聞こえた。経済なるものがとんと分からぬ小生にも、比較的は分かりやすい説明でもあったように記憶する。安倍外交についても直接的批判は避けていたが、氏としては現在の動きから今後世界がどのように変化するかよく分からない。と断言を避け、様子をじっくり見極めることが必要ではないかと警告めいた発言でもあった。

横には安倍総理からすれば天敵のような浜矩子氏が控え、現政府の経済政策をけちょんけちょんにやっつけていたが、伊吹氏も結構頷いていたのが印象的でもあった。その隣の経済アナリストは流石に、これまでのところアベノミクスは成功裏に進行中と断言した。根拠はマクロ的に見て雇用が劇的に改善したこと、民間の預貯金が300兆円も増えたことを指摘していた。前者は何度も聞いているので知っていたが、後者は縁なき衆生は度し難しで残念ながらとんと知らなかった。他のお二人も特に異論をさしはさんでいないので民間預貯金は増えているに違いない。

ただ最後に今後どのような政策で経済を運営すべきかという点では3人とも意見が似ていた。浜氏の意見を引用すると「経済政策はバランスが大切、鉄板の下で火を燃やし、直火の当たるところはものすごい高温となり、他は冷たいままなのに、平均していい塩梅では経済政策とは言えない。即ち貧富の格差を是正していくためにこそ経済学は存在しているのだから、今後の政策はその方向に沿ったものであるべきだ。」経済アナリスト氏もマクロ経済においてはアベノミクスを評価したが「結論として今後を考えれば浜氏の言う通りだ。」と同調したし、伊吹氏も同調した様子で「日本人の性根を据えなおして、他人への思いやりや勤勉を貴ぶようにすべき。」と精神論をぶって終了した。

要するに成長一本やりの経済政策は限界にきているらしい。貧しても明るい社会であってほしいものだ。

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