2016年7月15日金曜日

「日本会議」

最近ちょくちょく耳にするものに「日本会議」なるものがある。何でも安倍政権の強力な応援組織らしい。公式ウェブサイトでは「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を行っている民間団体」と自称しているが、wikiで見ると1997年に組織された民間団体で、全都道府県に支部はあるようだが2016年現在会員数38,000人とあるから、国民運動と自慢するには少し物足りないのではとも思う。

役員名簿を見ると神職らしき名前が随分多い。創価学会関係者はいないようにも思うが耳慣れない新興宗教らしき名前が仲良く並んでいたり、前天台座主とか日本医師会会長の名前も混在するので訳が分からなくなりそうだ。何でも信仰宗教の一つだと思うが「生長の家」の若手運動家が主体になって作り上げた組織だとも聞く。役員の中には政治家の名前は見当たらない。

ところが別に「日本会議国会議員懇談会」なる組織があって、ここを見るとアッと驚く為五郎で、自民党の衆参両院議員100名以上が名を連ねている。トップに来るのが特別顧問で安倍晋三氏と麻生太郎氏(確かクリスチャンだったのでは?)の二人、次が相談役で谷垣禎一氏、近々自民党を首になりそうな小池百合子氏も副会長の一人して名を連ねている。なんでそんなに有り難いのかよく分からない組織であることだけは間違いない。

兎に角安倍総理の時代錯誤は、この組織から来ているらしいとは聞いている。また最近書店には関係する書籍が多数平済みになっているので、どれか1冊奮発して読んでやろうかなんて思っていたところでもあった。そしたらタイミングよく昨日外国特派員協会で、「日本会議」会長である田久保忠衛氏の講演会があったとのことで、その内容を聞くことが出来た。田久保氏は昔はよくテレビに出てコメントしていたように思うが、最近すっかりお呼びがかからないようだ。

それもその筈、もう82歳とのことで、とても外国人記者の質問には論理的に太刀打ちできない。素性もよく知らなかったが、元は時事通信記者で現在は杏林大学の名誉教授だそうだ。1991年の湾岸戦争当時ワシントン駐在で、戦後クエートがワシントン・ポスト紙に感謝の広告を掲載した時、感謝の対象国に日本の名前が書かれなかったことを痛く残念に思ったらしい。それで愛国心に目覚めたわけでもなかろうが、なんとも安っぽいお話ばかりだった。この程度の国際情勢判断をベースにした連中に、総理が改憲を推し進める絶好のチャンスと煽られるのでは、国民はたまったものじゃない。

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