2016年5月5日木曜日

鄙びた山間の祭り

昨日は夜来の雨が9時前にはすっかり上がり、暑くなりそうな雰囲気だった。ところが、福島県石川郡古殿町なる山間のお祭りを見に行ったのだが、昼少しすぎに到着すると結構寒かった。夏服で行ったのだが、1時間も立っていると体の芯まで冷えて、ダウンジャケットを着てこないことが悔やまれた。一転して今日の天気は五月晴れなんてところは通り越して、一気に夏の日差しになってしまった。部屋でくすぶっていたが、冷房を入れたくなってしまった。これで冬の暖房器具やダウンジャケットとは完全にさよならすることになるだろう。

古殿町は友人が町おこしを手伝っていることから、面白半分についていったのだが、なるほど地方創生なんてことは容易でないことが実感できた。人口が高々6千人弱の町で、毎年生まれてくる赤ちゃんは25人位しかいないそうだ。圧倒的にお年寄りが多いからだろうが、亡くなる人はやはり年間100人平均とのこと。お祭りと言えば元来子供が多く寄り合って賑やかになるのが相場だろうが、昨日の祭りは圧倒的にお年寄りが多いので盛り上がりには欠けていた。

我が豊島区も何れ人口がゼロになるなんて言われたこともあるが、山間の村や町では比較にならない早さで限界を迎えることになるだろう。東北自動車道から行っても常磐自動車道から行っても1時間ちょっとはどうしてもかかってしまう。企業誘致なんかしても、結局は輸送コストに耐え切れず逃げられてしまう。いっそ雪でも降ってスキー場が出来たり、トレッキングコースでも整備できたりして、観光資源らしき何かがあればいいが、東京からのアクセスの悪さに加え、山が高かったり深いわけでもなく、渓流が特に美しいわけでもない。

杉林以外何もない厄介な土地ともいえる。主な産業は林業や石材業らしいが、自然を破壊する一方の割にはそう高価な収入が得られるものでもなさそうだ。普段歩いている奥多摩から秩父信州のハイキングコースとはえらい違いだった。しかし考えてみれば観光客を呼び込める地方の方が少数で、大多数の山間地は似たようなものだろう。南阿蘇なんて場所は行ったこともないが、人口や産業構造がどうなっていたのだろうか。

政府の政治家揃って外遊をし、外国の政治家から「他人の頭の蠅より、まず自分の頭の蠅を心配しろ」と、これまた揃って言われているようだ。困った国である。

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